KISSも感服するYOSHIKIの「死生観」…10歳で父を亡くし

KISSのメンバーに挟まれて、舌出しポーズをするYOSHIKI(中央)=東京都渋谷区のNHK(撮影・出月俊成)
KISSともに会見するYOSHIKI(中央)=東京都渋谷区のNHK(撮影・出月俊成)
2枚

 X JAPANのYOSHIKIが15日、東京・NHKで会見し、大みそかのNHK紅白歌合戦に、米ロックバンド・KISSとのコラボユニット「YOSHIKI feat.KISS〈YOSHIKISS〉」として出場することを発表した。

 両者の親交は、1994年にYOSHIKIがKISSのトリビュートアルバム「KISS MY ASS」に参加したことから深まった。KISSのボーカル、ポール・スタンレー(67)は、YOSHIKIについて「生きることの素晴らしさ、大事さ、そういうメッセージを発信し続けている。私たちも影響を受けている部分がある」、ベースのジーン・シモンズ(70)も「生きることへの思い、どんな辛いことがあっても乗り越える。さらに明日、さらにもう一歩という気持ちが素晴らしい」とコメント。その“死生観”へのリスペクトを語った。

 YOSHIKIにとって「生」と「死」は、他のアーティスト以上に大きな活動テーマとなっている。YOSHIKIは10歳の時、父親を自殺で亡くした。クラシックピアノを買い与えるなど、音楽への道を示してくれた父の突然の死を受け入れられず、「生死をさまよっていたというか、生きる力をなくしていた」という。くしくも、そんな時にKISSの音楽に出会い、ロックミュージックの世界に身を投じることになったと明かした。

 父親だけでなく、X JAPANのメンバーも2人、亡くしている。1998年にはギターのHIDEこと松本秀人さんが、2011年にはベースのTAIJIこと沢田泰司さんが、若くして死去。YOSHIKIは「僕は父親も亡くしましたが、メンバーも2人亡くしています。やはり、彼らの分も生きてかなきゃいけない」と沈痛な表情を浮かべた。

 続けて、HIDEさんを「日本の歴史上、最もカリスマ的なギタリストの1人」とした上で「特にHIDEは、とてもKISSのファンで…。そういう彼らのためにも、自分たちは生きていかなきゃいけない、そして音楽を通して、少しでも夢を欠いている人の支えになれればなと思います」と思いを新たにした。

 YOSHIKIにとって今回のコラボは、単なる「紅白出場」にとどまらず、“恩人”との共演でもある。改めて思いを問われると「生きていれば、いいことがあるんだなと。生きてて良かった」と感無量の表情を浮かべた。世界に向けて放送される紅白を通じて、KISSも感服したYOSHIKIの死生観、生への執着心が、世界中の悩める人々に少しでも届くならば、この歴史的なコラボの持つ意味は、果てしなく大きくなる。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス