頭脳警察 50周年アルバムを語る(前)テーマは忍者、根底に流れるのは諜報戦

 過激な歌詞のためアルバムが相次いで発禁になったり、新左翼系のイベントに出演したりするなど反体制の象徴でもあったPANTA(69=ボーカル、ギター)とTOSHI(69=パーカッション)の伝説的ロックバンド「頭脳警察」が、12月で結成50周年を迎える。9月18日に発表した50周年記念アルバム「乱破」を語るインタビュー、その前編は驚きのテーマについて。

  ◇  ◇

 乱破とは忍者のことだ。PANTAは自身と忍者の関わりを次のように明かした。

 「小さい頃から『これだけは覚えとけよ』っつってね、九字を教わってた。『代々伝わるもんだから忘れるなよ』って。うちの家紋が九曜星つって甲賀望月三郎と同じ。たまたまそういうことがあってね、いつか乱破はテーマにしなきゃなあと思ってたの。そんな出自があってね。(先祖が)忍者ってわけじゃないけど、隠れ里って自分は思ってるのね。高祖父がうちのひいばあさんをおいて、預けて『京に勤王を討ちに行く』って言ったまま消息を絶ってるから」

 PANTAは2009年公開の映画「カムイ外伝」、今年10月公開の映画「下忍 GENIN 赤い影」と、2本の忍者映画に出演し「機は熟したのかな」と思ったという。

 「TOSHIと2人で色んなことやってた行き着く先がここだったのかなって気がしなくもない。『梟の城』っていう映画があってね、城の瓦の上にいる忍びがどうもイメージするわけ。ああそうか、隠しテーマとしてこれは屋根の上の忍者だなって。ホントに『下忍』には感謝してる。このきっかけがあってから、そうだこれは機が熟したってことで、思い切り乱波者でね」

 アルバム「乱破」は、世界は水面下、隠れた影の部分で動いていくというのが隠されたテーマだという。

 「根底に流れてるのは、たぶん諜報戦だね。日本が全く外交能力ゼロの国で、情報収集能力、得た情報を使う能力もないっていうね、全てアメリカの下で全部いいように利用されてるという状況の中で。諜報機関とか持つと必ず暴走するからなかなか持つことは大変だろうだけど、やはり物事は水面下、隠れた、影の部分で世界は動いていくんだよというのが隠れたテーマかな。戦争の裏で戦争を起こした方が損か得か、そういうことを動かしてる間者がいる」

 体制に異議申し立てする人々に、PANTAは次のように言う。

 「表だって反対するのもいいけど、変えたいんだったら中に入って変えろよっていうね。自分たちはそれを実践して来たから。あえて外でやらないで、ビクターっていうレコード会社の中で発売禁止になってる。(組織の中にも)同じ志を持っている人間たちがいるわけだよ。制作とか宣伝部も、NHKもそうだし、みんな一枚岩じゃないんだから、色んな考えのヤツがいるから、そういうヤツと連携してね。声を高らかに反対を叫ぶのも大事かもしれないけども、実際に(物事が)動くのは水面下だね」(続く)

 ◇頭脳警察結成50周年ライブ 11月25日=東京・渋谷duo MUSIC EXCHANGE

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