高倉健さん 没後5年…命日に「鉄道員」上映 大竹しのぶが広末涼子が追悼秘話
2014年に悪性リンパ腫のため83歳で亡くなった俳優・高倉健さんの命日となる10日、東京・丸の内TOEIで主演映画「鉄道員(ぽっぽや)」(99年公開)の特別上映が行われた。同作のロケ地となった北海道・南富良野町の駅セットが同町の支えにより今なお保存されており、この日の収益の一部を維持費として寄付する。健さんと共演した大竹しのぶ(62)や広末涼子(39)、小林稔侍(78)、撮影を担当したカメラマンの木村大作氏(80)が思い出話に花を咲かせた。
客席には、健さん世代のみならず、20~30代も多く見られた。健さんが骨太に体現したローカル線の駅長・乙松の一人娘を演じた広末は、劇場を見回し「意外とみなさんお若くて、世代を超えて生き続けているなと思いました。色あせない映画ってこういうことなんですね」と笑顔だった。
99年に公開された同作は、日本アカデミー賞では健さんが最優秀主演男優賞を受賞したのを始め、9冠を達成した。上映から20年を経た今も南富良野町にある駅のセットは、撮影当時のまま保存され、健さんの聖地として小道具や衣装などが展示されている。訃報の際には駅長の机が献花台となった。
同作スタッフの有志が感謝の意を込め、一部収益を保存費用として南富良野町に寄付する今回の上映会。おのおのが健さんの秘話を披露した。
広末は、撮影初日に電話番号を交換し、以後も交流が続いたという。一人娘がうっすらと消え、主人公が涙を流す有名なクライマックスシーンについて広末は「撮影部も照明部も健さんと一緒に泣いていて、あとにも先にもそんな現場は見た事がない。みんな健さんが好きなんだなって思いました」と、高倉組の空気感をしみじみ回顧した。
妻役の大竹は、撮影の合間に、イヤホンをしながら空を見上げている健さんに「『何をしているの?』と聞いたら、イヤホン(の片方)を私の耳に入れてくれたの。カッコイイ!ってますます好きになった」とロマンチックな思い出を振り返っていた。