漫画家・吾妻ひでおさん死去 69歳、食道がんで闘病「失踪日記」「ななこSOS」
不条理ギャグ、SF、美少女などの要素が強い作品で人気を博した漫画家の吾妻ひでお(あづま・ひでお、本名日出夫=ひでお)さんが13日未明、都内の病院で死去したことが21日、吾妻さんのツイッターで発表された。69歳。北海道出身。食道がんで闘病していた。葬儀・告別式は近親者のみで執り行われ、後日、お別れの会を開く予定。喪主は妻紀三代(きみよ)さん。
吾妻さんは一昨年3月30日のツイートでがん告白。同5月14日に手術と退院を報告した。昨年、今年と入退院を繰り返し、6月18日に「転んで首痛い」とコルセットを首にはめてひげを伸ばし、タバコをくわえた写真を投稿。最後のセルフポートレートとなった。ツイートは8月15日、飼育するオタマジャクシの写真を添えて「残りのおたま。」と投稿したのが最後となった。
1969年デビュー。「ふたりと5人」、「やけくそ天使」、「スクラップ学園」、「不条理日記」、アニメ化された「ななこSOS」などでマニアックな人気を獲得した。2度の失踪やアルコール依存症などの壮絶な人生を送り、実体験を基にした「失踪日記」(05年)で日本漫画家協会大賞、文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞した。