吉野彰氏にノーベル化学賞 本庶氏に続いた!虎党受賞
スウェーデンの王立科学アカデミーは9日、2019年のノーベル化学賞を旭化成名誉フェローで名城大教授の吉野彰氏(71)ら3氏に授与すると発表した。スマートフォンなどに広く使われるリチウムイオン電池を開発し、現在の情報化社会を支える成果として高く評価された。
日本人のノーベル賞受賞は27人目で、昨年、医学生理学賞に選ばれた本庶佑京都大特別教授(77)に続く快挙。化学賞は8人目。
都内で会見した吉野氏は「どうもありがとうございます。わたし自身、大変興奮している。家内は腰を抜かすほど驚いていた」と笑顔。「好奇心が研究の主な原動力」「いろいろな分野で若い人たちが研究している。大きな励みになると思う」と喜びを語った。
リチウムイオン電池は何度も充電して使える2次電池。吉野氏は1980年代、炭素材料の負極とコバルト酸リチウムの正極を組み合わせ、基本的な構成を確立。90年代に商品化され、スマホやノートパソコンなどの普及に貢献。小惑星探査機はやぶさ2や国際宇宙ステーションにも搭載された。
母校の大阪府立北野高校は「生徒や卒業生らにとって、こんなにうれしいことはない」と祝福コメントを発表した。大学時代の恩師によると、吉野さんは阪神ファンだという。