安部譲二さん追悼 気配りできる神経の細やかな人…江夏豊氏「何でも知っていた」

 ベストセラー小説「塀の中の懲りない面々」(1986年)で一世を風靡し、デイリースポーツで92~2009年に「懲りない編集長」を務めた作家の安部譲二(あべ・じょうじ、本名直也=なおや)さんが2日午前1時18分、急性肺炎のため東京都内の自宅で死去していたことが8日、発表された。82歳。東京都出身。葬儀・告別式は7日、親族のみで営まれた。喪主は妻美智子(みちこ)さん(65)。お別れの会は、本人の希望で行わない。

 虎党で知られた安部さんと長く親交を結んだ阪神OBの江夏豊氏(71)は、デイリースポーツの取材に「言葉は悪いけど、目配り、気配りができる、神経の細やかな人だった」、「色んな仕事をしてきた人だから、情報が豊富でね。周りのことを何でも知っていた。『異色な人』と言うかね」と、その人柄を語った。

 安部さんとは「よく仕事もしたし、よく遊びもした」といい、「一緒にゴルフを回った時、彼がホールインワンをしてね。それも間違って人のクラブで打って…大笑いしたのを思い出すよ」と、ユーモラスなエピソードを回想。「本当に素晴らしい人生だったと思う。心からお悔やみ申し上げます」と悼んだ。

 安部さん原作の映画「塀の中の懲りない面々」に主演した俳優の藤竜也(78)は「とても人好きのする人」、「三島由紀夫さんが、若き日の安部さんのだて男ぶりを褒めていらした」と、男っぷりの良さを語った。

 同じく映画「極道渡世の素敵な面々」に主演した俳優の陣内孝則(61)は「会見の時にプロデューサーとして同席された元親分の安藤昇さんに気を遣って『俺の席は下座に親分を上座にしてよ!』と何度もおっしゃっていた」と素顔を証言。

 30年以上の仲だった作家の山田詠美氏(60)は「(経歴と)育ちの良さとのギャップがチャーミング。人に対しても、自分に対しても、礼儀正しい人」、「『お天道さまが見ている』というような意識があったのだろう」と推察していた。

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