吉本興業の岡本昭彦社長が２２日、都内で会見を開いた。反社会的勢力の会合に所属芸人が出演し金銭を受け取った問題で、吉本興業側が正式な会見を開くのは初めて。岡本社長は「コンプライアンスの徹底」と「芸人ファーストの徹底」を掲げ、雨上がり決死隊の宮迫博之らに「会見したら連帯責任で全員クビ」などと“圧力”をかけていた件について説明した。

　宮迫は２０日の会見で、謹慎処分が下った６月２４日にロンドンブーツ１号２号の田村亮が会見を希望したところ、岡本社長から「おまえらテープまわしてないやろな。亮、お前１人で辞めて会見したらいいわ。そうしたら、全員連帯責任でクビにする。それでもええんやったら会見しろ。おれにはおまえら全員クビにする力があるんや」などと、どう喝されたと主張していた。

　他のスタッフを退出させ、岡本社長と宮迫ら芸人４人だけの場での発言で、岡本社長は「冗談で『テープとってるのちゃうの？』といったら、まったく受け入れられず、笑われることもなく」と、あくまで冗談だったと説明。

　「全員クビ」発言に関しては、まだ反社会的勢力からの受領金額すら確定していない中で「それぞれがそれぞれのことをずっと話していて、本当に大事なこと、反社会的勢力の方からお金をとられた被害者の方がおられるということが、そのやりとりをみていて、あまり感じられなかった。和ませよう、という半分（の気持ちで）、もうええ加減にせえ、という感じだった」と説明した。

　世間からは“パワハラ”などと批判を集めているが、岡本社長は圧力をかけるつもりはなかったと否定する一方で「でも、それが伝わっていなかったいうことは、僕の思っている距離感と彼らの思う距離感が違ったということなので反省しなければならない」とした。