オール阪神・巨人 紫綬褒章を受章…「後輩にいいところを見せられる」

 ベテラン漫才コンビのオール阪神・巨人が学問や芸術、スポーツなどの功績を残した人に贈られる紫綬褒章を受章し、19日までに大阪市内で会見した。

 金屏風を前に笑顔が並んだ。1975年4月の結成から44年。劇場を大切に、笑いを届けてきたオール巨人(67)とオール阪神(62)は「身に余る」と感激した。巨人は「後輩のために頑張るという思いでやってきました。ドラマでも、後輩につながるように頑張って演技せないかんなと思ってました。(受章で)後輩にいいところを見せられる」と喜んだ。

 初期の脳梗塞(こうそく)で3月から療養し、4月に復帰した阪神は「1カ月前までは入院して、漫才はもうでけへんのかなと思ってました。復帰してすぐにすばらしい賞をいただきまして、神様から『まだやめるなよ。頑張れよ』と言われた気がする」と感無量の面持ちだった。

 漫才を続けていたからこその栄誉だった。阪神は「相方から『漫才には適齢期があるから、漫才をやめよう』と言われたことがあって、『元気だったらやってよ』と言いました」と告白。巨人は「45歳くらいでやめたかった」と認め、「阪神ちゃんが離婚騒動のときで『もうちょっとやってくれへんかな。借金返さなあかんから』って言われたので」と暴露して笑わせた。

 上方漫才コンビでは夢路いとし・喜味こいしさん、宮川大助・花子に続く受章。兄弟、夫婦ではないことについて、巨人は「赤の他人ですけど、嫁はん以上、兄弟以上に2人でいる時間が長いんで」といい、阪神の入院中、家族以外は不可だった見舞いを許されていたことを明かした。

 中学生のときから相方を「兄ちゃん」と呼んでいた阪神も「私生活では離婚してますけど、このコンビは離婚してない。みんなから『巨人さん、きついやろ。よう続いてるな。ケンカになるやろ』と言われる。そら、(ケンカに)なりますよ。(でも)相性の問題」とうなずいた。巨人が肝炎を患った際は、ツッコミで腕に触れただけで、細くなったのが分かり、回復した際も気付いたという。病み上がりの阪神は「今や、お互いの体のいたわり合い。薬、何飲んでんのとか」と笑った。

 97年に離婚が成立した阪神が、騒動時に巨人に相談するようになり、絆が深まったという2人。次の目標は結成50周年だ。巨人は「名誉ある賞をいただいたんで、もう少し頑張ろうかなと。(漫才の)パワーは落ちるかも分かりませんけど、その分、笑いを増やしていければ」と先を見据えた。

 体調が心配される相方について「夜中のアイス、お菓子をやめた。(たばこに代わる)電子たばこを吸いながら、喫煙室に行ってるんで、『それ、やめ!』と言ってます」という一方で、「脳梗塞で倒れて、カテーテルを入れて治療してたら、(阪神の持病)メニエール病の兆候が出にくくなった。週1回、真っ青な顔で倒れてたのに」と明かした。

 不摂生をやめた阪神は「50周年くらいはいけるのかなという気持ちはあります」と自信を見せ、「後輩にも漫才は素晴らしい仕事と伝えたい。漫才はしんどいんで、トークとかに行く。でも、漫才をやれば、最終的にこんなご褒美もあるよというのも見ていただきたい」と力を込めた。

 “王道漫才コンビ”は、まだまだ老若男女を笑わせる。

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