TBS社長 無断で脳死移植放送でドナー両親提訴問題「配慮必要」

 TBSの社長定例会見が24日、東京・赤坂の同局で行われた。脳死肺移植手術を密着取材した同局の番組に強い精神的苦痛を受けたとして、脳死判定を受け、肺を提供した男児=当時(1)=の両親がTBSなどに損害賠償を求め、提訴した件について、佐々木卓社長が言及した。

 佐々木社長は「訴状を受け取り次第、内容を検査して、対応したいと思っています。訴訟とは離れますけども、臓器の提供を決意されたドナーのご家族のご心情とか思いに関して、我々としても配慮がどれだけ必要であるか痛切に感じているところです」と話した。

 訴状によると、番組は17年7月に全国放送された。広島県在住の両親には事前に連絡はなく、手術した日などの情報から知人らに男児が特定されかねない内容だった。

 手術を撮影した場面では肺がモザイクなしに映っていた他、執刀医が「軽くていい肺」などと配慮を欠く発言をする姿も放送され、「わが子を静かにしのぶ権利やプライバシーが侵害された」と主張している。

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