高校生開発の「サバ缶」宇宙へ JAXAが認定

 福井県立若狭高(同県小浜市)が開発したサバの缶詰 が12日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「宇宙日本食」に正式決定した。JAXA理事で、宇宙飛行士若田光一さん(55)が同校を表敬訪問、生徒に認定証を授与した。サバ缶は、17年にツナ缶を売上高で上回るなど、人気が沸騰しているが、宇宙食でもブームになる?

 DHAやEPAなどの健康効果で空前のブームとなっているサバ缶。宇宙食にも進出するきっかけを高校生たちがつくった。

 若狭高校2年の飛永朱莉さん(17)は「宇宙飛行士がおいしく食べられるサバ缶を製造した」と紹介。宇宙では味覚が鈍くなるとされるため、開発の過程では4段階で味の濃さを試したという。若田さんは、食品会社による宇宙食が多い中、高校生が作ったのは貴重だとし「皆さんの活動に敬意を表します」と話した。

 同校では生徒が授業でサバの缶詰を製造しており、2006年に統合前の小浜水産高が国際的な食品衛生管理基準「HACCP(ハサップ)」の認証を受けた。HACCPは宇宙食の基準でもあり、当時の生徒がサバで宇宙食を作ろうと提案、研究開発を始めた。

 宇宙食には、一定の保存期間や水分量など計8項目の基準が求められる。しょうゆにくず粉を加えるなどし適度なとろみのあるたれを開発。これを同市で養殖したサバと合わせ、真空状態にして高温で殺菌処理した。

 1年半の保存試験にも合格。14年にJAXAが公募する候補計33品目の一つに選ばれた。その後も、無重力で水分が飛び散らないようにする工夫を重ねた。06年以降、計約30人の生徒が開発に関わった。

 JAXAによると、野口聡一さん(53)が19年末ごろから国際宇宙ステーションに長期滞在する際、この缶詰が提供される可能性があるという。

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