将棋の藤井聡太七段（１６）が１７日、大阪市の関西将棋会館で行われた新人王戦決勝三番勝負第２局で奨励会員の出口若武三段（２３）を１０５手で下し、１６歳２カ月の史上最年少で新人王に輝いた。これまでの新人王戦の最年少優勝は森内俊之九段（４８）が１９８７年に達成した１７歳０カ月。３１年ぶりに記録を更新した。

　「二度とない価値ある勝利だ」。新人王戦の優勝を決め、最年少記録をまたしても塗り替えた藤井七段の地元、愛知県瀬戸市では１７日、商店街に集まった住民やファンらがくす玉を割って祝福した。商店街の一角に設けられた応援会場で、約２０人がテレビに映る中継を見守り、一人が「投了だ」と声を上げると大きな拍手が湧いた。用意されたくす玉から「新人王戦優勝おめでとう」と書かれた垂れ幕が現れ、万歳三唱。名古屋市の主婦植村八重さん（７５）は「今後は各地の対局先に追っかけて行って、応援するのが楽しみ」。瀬戸市の伊藤保徳市長は「期待通り勝ってくれて天才ぶりに驚いた」と興奮した様子だった。

　藤井七段が幼少期に通った将棋教室を運営する文本力雄さん（６３）は、「新人王戦の勝利は特にうれしい。これからも自然体で、タイトルに向け一歩ずつ進んでほしい」と語った。