南佳孝インタビュー(後)「男と女は恋愛感情が枯れたら終わりじゃないかな」

 「スローなブギにしてくれ」、「モンロー・ウォーク」などのヒットで知られるアダルトなロックの第一人者、シンガー・ソングライターの南佳孝(68)が9月21日でデビュー45周年を迎え、7年ぶりのオリジナルアルバム「ディア・マイ・ジェネレーション」を同30日にリリースした。インタビューの後編では、「木綿のハンカチーフ」や「さらばシベリア鉄道」などで知られる歌手・太田裕美とのデュエットや、大人の恋愛について語った。

  ◇  ◇

 太田とは、「トキメイテ」でデュエットしている。

 共に長くソニーに所属していたため、「前から知っていて、レコード会社も同じで、そのスタッフなんかもよく知っていて。『南くん、ゴンチチってすごくいいギターデュオがいるよ』とか、そういった感じで。(現在も)松本隆の何十周年だったか、そういったテレビだとかコンサートなんかでも会いますしね。ラジオ番組に2回出てもらったし」という昔なじみ。

 「トキメイテ」は、「2人が大学時代、お互いグループで付き合ってたんだけど-そういったシチュエーションにして。でもなんとなく惹かれるものはあったんだよ。それが久しぶりに、どっかでタクシーを待ってたら、ふり向いたら君がいて…そんな感じが楽しいかなと思って書きました」という、大人のラブソングだ。

 今の世の中を「昔だったらもう引退してる年頃なのに、人生100年だ、定年退職が70歳だっていう感じになってきた」と指摘する南は、中高年の恋愛について「全然あると思いますね」と言う。

 「恋愛感情が死ぬまであると思うんだね、男と女っていうのは。それが枯れたらもう終わりじゃないかなと僕は思ったりするんですけどね。曲書くって、そういったところがないと。どっか夢見るところがないとね」と、恋愛とソングライティングの関係性について明かし、自身の恋する気持ちは今も「まんまんです…と言っておこう」と笑った。

 アルバムの発表を受けて、10月9、10日にビルボードライブ東京、11月14日にブルーノート名古屋、11月15日にビルボードライブ大阪でライブ「45th Anniversary Live~Dear My Generation」を行い、太田もスペシャルゲストとして出演する。

 「新しいアルバムから3~4曲かな。往年のこの曲が聴きたかったというオーディエンスもたくさんいると思うので、そういった曲もカバーしながらというステージになると思います。裕美ちゃんも、アンコール含めて3曲ぐらい歌ってもらうつもりなので」

 45周年という数字については「知らないうちにここまで来ちゃったなあっていう感じはあります。僕はメロディーを書いて歌うっていうのがメインなので、なるべくクオリティーの高い曲を厳選して作って。いい作詞家陣、いいアレンジャーの人たち、プロデュース、ディレクトしてくれる、宣伝やっててくれる人たちだとか、いいスタッフに恵まれたと思います。本人は至って飄々(ひょうひょう)っていうか、ただ普通にやってきただけですよ。そしたら45年経ってたっていう。ヒット曲って2曲しかないですから、基本的には。どの曲とどの曲が?『モンロー・ウォーク』と『スロブギ』でしょう」と謙虚だ。

 あと5年で50周年、と水を向けると、南は「いやあ、もういないんじゃないかな。そんな先、考えたくないよ」と苦笑した。それでも「人生100年、定年70歳」という超高齢化社会を生きる身として、「100年って、もういいと思って死ぬのか、いや毎日楽しいなって思って死ぬのかって思ってる。やっぱり後者でいたいと思うけど、こればっかりは分かんないですけどね」と、まだまだグッドミュージックを届けてくれそうな口ぶりだった。(終わり)

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