フジテレビが３日、都内の同局で１０月改編の記者会見を行った。金曜午後７時からは俳優の坂上忍がフジテレビでは４本目となるレギュラー番組「坂上どうぶつ王国」をスタートさせるが、単なる動物番組ではなく、ある“レジェンド番組”を意識しているのだという。

　“動物もの”はＴＢＳ系列の「わくわく動物ランド」、「どうぶつ奇想天外！」、同系列ながら毎日放送の「野生の王国」にはじまり、現在も「天才！志村どうぶつ園」（日本テレビ系）、「トコトン掘り下げ隊！生き物にサンキュー！！」（ＴＢＳ系）、「超かわいい映像連発！どうぶつピース！！」（テレビ東京系）など鉄板ジャンルの一つ。その中であえて坂上忍を起用して、新番組を立ち上げるのは「ムツゴロウ王国のような楽園をつくりたい」という、坂上と制作サイドとの思いがあるからだという。

　ムツゴロウ王国とは、作家で動物研究家の畑正憲氏が手がけた北海道の施設で、一時は都内にも開園していた。ムツゴロウさんと呼ばれた畑氏と動物とのふれあいに迫った番組「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」は数か月に１回の頻度でスペシャル番組が放送される人気番組となった。

　担当する清水泰貴ゼネラルプロデューサーは「従来の動物バラエティー番組の枠を超えまして、人間と動物たちとの楽園をいちからつくっていこう」という壮大な野望を抱えており、土地探し、スタッフ探しから、こんな動物は飼育できないかといった模索まで、サンドウィッチマン、野性爆弾くっきー、Ｋｉｎｇ＆Ｐｒｉｎｃｅ高橋海人といったレギュラー陣によるロケを通じて行っていくという。

　坂上は昼に帯の「バイキング」を抱え、フジテレビだけでも「ダウンタウンなう」、「直撃！シンソウ坂上」といったレギュラー番組を担当している。斎藤翼編成部長が会見の冒頭で「坂上さんの番組がさらに増えると思われる方もいらっしゃると思います。当然の疑問だと思います」と言及するほど、坂上のフジテレビ出演は多い。

　ただ、“企画ありき”を重視するフジテレビとしては「躊躇はなかった」（斎藤編成部長）という。他局出演、テレビ以外の仕事もあり多忙を極める坂上だが、この番組への情熱は並々ならぬものがあるという。会見へも「スタッフさんには“この番組だけは唯一、穏やかな気持ちでやりたい”」と他の番組で見られるような毒舌キャラの封印をうかがわせている。