常田富士男さん 天国へ旅立ったんじゃぁ「まんが日本昔ばなし」語り手

 常田富士男さん
 笑顔を見せる常田富士男さん(昭和40年代撮影)
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 TBS系「まんが日本昔ばなし」で長年、語り手を務めた俳優の常田富士男(ときた・ふじお)さんが、18日に脳内出血のため都内の病院で死去したことが19日、分かった。81歳。葬儀・告別式は近親者で行う。喪主は長男青児(せいじ)氏。「-昔ばなし」でパートナーを組んだ女優の市原悦子(82)が「昔話の世界に生きていたような人だった」と悲しみのコメントを寄せた。

 「むか~し、むかしの、ことじゃったぁ」-。誰もが懐かしさを覚える温かみのある声とともに、天国に旅立った。

 1937年1月30日、長野に生まれ、熊本で育った常田さんは、高校卒業後、劇団民藝の養成所に入所し、黒澤明監督の「天国と地獄」「赤ひげ」に出演。映画「楢山節考」「ビルマの竪琴」「黒い雨」などで味のある演技を見せた。ドラマでは、NHK大河「国盗り物語」「黄金の日々」のほか、テレビ朝日系土曜ワイド劇場「混浴露天風呂連続殺人」シリーズでも人気を博した。

 1977年には東京・保谷市長選に無所属で立候補したが、最下位で落選した。

 常田さんの代名詞といえば「まんが日本昔ばなし」での吹き替え。1975年から94年まで約20年間、市原との“二人芝居”で担当し、お茶の間に親しまれた。ジブリ作品の「天空の城ラピュタ」ではポムじい役で出演している。

 訃報を受け、市原が追悼コメントを寄せた。常田さんを「昔話の世界に生きていたような人」とし、「おうちにはサルがいる、犬がいるし、猫がいるし、ニワトリがいる。蛇がいる。いろんな動物が小高い木の間に生きている。そういうお家の話を聞くと、まるで昔話を聞いているようで」と懐かしそうに振り返った。動物への愛情は深かったという。

 「まんが-」では動物から石まで声にした。1人12役くらいこなしたため、常田さんと配役がずれることもあったという。劇中で披露した歌は「音符にもなりゃしない2人のアンサンブル」「でったらめな勝手な歌」といい、「それが評判になって作家の先生は毎回1曲歌えと言われました」と明かした。

 市原は、常田さんを「弟のような、夫のような、おじいさんのような、お兄さんのような…」と表現。「見かけはちょっと近寄りがたいけど、可愛い人でした」とも付け加え、“盟友”をしのんだ。

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