蒼井優が感涙 初の最優秀主演女優賞「映画界に入れて良かった」
「第41回日本アカデミー賞」授賞式が2日、都内で開かれ、蒼井優(32)が最優秀主演女優賞を初受賞した。「彼女がその名を知らない鳥たち」の演技が評価され「映画を撮ってるとき、本当に映画界に入れて良かったなと思った」と目を潤ませあいさつした。「三度目の殺人」が作品賞、監督賞(是枝裕和監督)、助演男優賞(役所広司)など6冠を獲得。授賞式には、北川景子(31)、尾野真千子(36)らも出席。美の競演で魅了した。
若手がそろった平均28・6歳の戦いを“最年長”の演技派が制した。最優秀を争う優秀主演女優賞に輝いたのは蒼井、長澤まさみ(30)、新垣結衣(29)、吉高由里子(29)、土屋太鳳(23)の旬な5人。それぞれドレスアップして会場を彩ったが、“欲求不満を抱えた嫌な女”を演じた蒼井が栄冠を手にした。
名前が呼ばれた瞬間、驚いた表情を見せた蒼井の両目はみるみるうちに潤んだ。昨年の最優秀主演男優賞・佐藤浩市(57)からトロフィーを受け取ると「何でしょう。びっくりしてます」と手で鼻を押さえながら第一声。大阪弁にも挑戦した作品を思い浮かべながら「この映画を撮ってるとき、本当に映画界に入れて良かったと思ったんです。なのに、こんな大きな賞をいただいて恐縮してます」と続けた。
終了後の会見では受賞の喜びを「一番に阿部サダヲさんに伝えたい」と即答。「現場の皆さんに嫌われてるんじゃないかと思った」というほどかわいげのない十和子と暮らす、下品で地位も金もない男役で作品を支えた阿部に感謝した。
日本アカデミー賞では07年の新人俳優賞&最優秀助演女優賞、11年&14年の優秀助演女優賞に続く、最優秀主演女優賞獲得となった。キャリアを積むたびに映画愛が深まっている蒼井は「これから新学期が始まりますけど、学校がつらい方、新しい生活をどうしようと思う方は映画界に来てみて下さい」と未来の後輩を勧誘するスピーチで場内を沸かせた。