星野源がゆるく、こだわった音楽番組「おげんさん」話題沸騰

 歌に舞台にドラマにラジオ。さまざまな分野で大活躍の星野源が、初の冠音楽番組を4日に担当した。その名も「おげんさんといっしょ」(NHK総合、後10時50分)。ある一家の母親・おげんさんに星野がふんして音楽を楽しむという内容だったが、放送から一夜明けてもネット上には絶賛の嵐が吹き荒れている。その不思議な魅力とはどこにあるのだろうか。

 人気者の星野が登場するとなれば、気合の入った音楽番組になる…かと思いきや、世界観からして特殊だった。タイトルはNHKの「おかあさんといっしょ」をもじったものだが、星野の衣装や、昭和時代を思わせるセットはアニメ「サザエさん」のよう。さらに、おげんさんの夫役に高畑充希、長女役に藤井隆、さらに長男役に細野晴臣と年代や性別を完全に無視。番組を進行するのはねずみのぬいぐるみで、人気声優の宮野真守が担当するというスパイスも効かせている。

 冒頭で歌った「SUN」では藤井が髪を振り乱して踊り、直後に星野が自撮りした写真をツイッターに投稿した。和気あいあいと楽しんだ後は、星野が敬愛するアーティストのマイケル・ジャクソンについて熱く語り、「SUN」の一節「Hey J」の「J」がジャクソンのJだという逸話も披露した。さらに、憧れの人である細野と「絹街道」を歌い、締めくくりは大ヒット曲の「恋」。ベースを細野が担当する豪華な生演奏で、深夜を意識し若干ゆったりとしたアレンジで歌い上げた。恋ダンスも藤井と高畑が再現した。

 ギター弾き語りをした「老夫婦」を含めて1時間で楽曲は4曲。視聴者からのくしゃみの投稿動画を楽しんだり、「うまそーを見よう」という美味しそうな料理の画像を見てトークをする、という深夜番組ならでは、な企画もあえて入れた。「ミュージックステーション」や「SONGS」のような、本格的な演奏や歌を詰め込んだものとは異なる構成だったが、視聴者の満足度は極めて高く、放送直後からツイッターには「#おげんさん」のハッシュタグとともに、「もう終わってしまった」、「シリーズ化よろしくお願いします」といった“また見たい!”の声が多数上げられた。

 この“ゆるくて楽しい”番組の魅力はエンディングに星野が発した「間違ってもいい音楽番組がやりたかった」という言葉に集約されている。自身のラジオ番組「星野源のオールナイトニッポン」(ニッポン放送)の2日深夜放送回では、「おげんさん」にかける意気込みをこう語っていた。

 「リハーサルでいろいろやってる時に起きるような。間違っちゃってるんだけど、なんかこれいいね、みたいな。そういう空気感のある音楽番組をやってみたい」

 くしゃみや料理についてのトークは、確かに楽屋にいるかのようだった。セットには「とと堂」、「YELLOW MAGIC」、「麻モ飯店」と出演者に関連した看板を並べる手のかけようで、1回限りにしてしまうのはもったいないと思わせる作り込み要素も多数。星野のこだわりが詰まったゆるい音楽番組、次回はいつになるだろうか。

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