夏木マリ 決意のパリ公演「テロ恐れてない」

 歌手の夏木マリ(64)が25日(日本時間26日)、仏・パリのルーブル美術館内の劇場「オーディトリアム ドゥ ルーブル」で、演出・出演の舞台「印象派NEO vol.3『不思議の国の白雪姫』」を行った。1993年初演の「印象派」シリーズの17年ぶりのフランス公演。パリ中心部では20日夜に警察官襲撃テロが起き上演も危ぶまれたが、「テロを恐れてないことを示すためにも来ました」と強い気持ちをステージに刻み込んだ。

 舞台「印象派」シリーズは夏木にとってのライフワーク。フランス公演は2000年以来、17年ぶり4度目だ。01年にも開催予定だったが、アメリカ同時多発テロの影響で中止に。心残りを払しょくするため、パリでの上演を決めたが、渡仏当日に衝撃のニュースが舞い込んだ。

 会場のルーブル美術館からわずか2キロのシャンゼリゼ通りで、テロが発生。自動小銃で武装した男に襲撃された警察官1人が亡くなった。昨今のパリでは、観光スポットのみならず、ファストフード店でさえも来客に持ち物チェックが施される厳戒態勢だが、卑劣な犯行を防ぐことはできなかった。

 脳裏をよぎったのは16年前の忌まわしき記憶。「ヤラれたって思いましたけど、テロを恐れてないと示したかった。フランスに住んでる友人たちも『普段通りに生活したい』と話してますし」と夏木の心は折れなかった。

 「印象派」は体の動きとコンテンポラリーダンスを主体に魅せる作品で、数少ないセリフはすべてフランス語でこなした。日本人アーティストによるルーブル美術館での公演は異例で、420席は満員。3度のカーテンコールでは万雷の拍手と「ブラボー」の称賛を浴び、夏木は感無量の表情を浮かべた。

 「海外は『ブラボー』があるからいいですよね。調子に乗っちゃう。来年は『印象派』25周年。ロンドンでやったら絶対にウケる、って言われてるし、やってみたい」。“逆境”を乗り越えた夏木の瞳は、次なる夢へと向けられていた。

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