柴又駅前にさくら像完成 寅さん像設置から18年 “分身”に倍賞千恵子も感慨

 お披露目されたさくら像と記念撮影する山田洋次監督(左)と倍賞千恵子。手前は寅さん像=東京都葛飾区の柴又駅前
 見送るさくら像がお披露目され笑顔の山田洋次監督、倍賞千恵子=東京・柴又駅前広場(撮影・金田祐二)
2枚

 映画「男はつらいよ」シリーズで女優の倍賞千恵子(75)が演じた、主人公・車寅次郎の妹・さくらの銅像が東京・柴又駅前に完成し、25日、除幕式が行われた。シリーズを手がけた山田洋次監督(85)と倍賞が駆けつけ、大勢のファンたちと完成を祝した。1999年に同所に寅さん像が設置されてから18年。対となる分身の誕生に倍賞は「お兄ちゃん、もう寂しくないよ。私がいるからね。いつ帰ってくるの、今度は?」と役になりきって呼びかけた。

 失恋し、旅立つ寅さんを、さくらが見送る。兄を思う妹の像の完成で、柴又駅前はまるで映画のワンシーンのように彩られた。山田監督は「寅さん像ができたときから、さくらがいてくれたらと思っていた。いい顔だな、と思いますね」と感慨深げ。さくら像は、99年に誕生した寅さん像の目線の先に設置された。

 “孤独”だった寅さん像を思い、2015年に地元の観光協会たちが葛飾区に製作を依頼。新たな像のため、山田監督が短いシナリオを書き下ろし、寅さん像と同じ彫刻家の吉田穂積氏が約1600万円をかけて高さ約160センチの像に具現化した。

 この日の式典にはファン数百人が集まった。96年8月に寅さんを演じた俳優・渥美清さんが亡くなってから、20年以上。「男はつらいよ」は変わらぬ熱気で愛されている。倍賞は「寅さんに出会ってから50年。私の妹がいるような感じがしています。これは倍賞千恵子じゃなくて、諏訪さくら」と像をなでた。像のかかと部分に自身の名前から1文字とった「ち」と書き込んでおり「触ると御利益があるんですって」と笑わせた。

 山田監督は新作「家族はつらいよ2」の公開が5月27日に控えている。兄妹の像を前に、「男は-」時代から変化した映画界の現状を問われると「ネットの時代になったのが僕は悲しい。映画館の大きなスクリーンで上映されると思って作っていて、パソコン画面で見るものを作っているつもりではない。劇場でみんな一緒に笑いながら見る体験をしてもらうために作っているから」と熱く語った。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス