大谷直子 鈴木清順監督「力まず淡々として現場におられた」

 「ツィゴイネルワイゼン」など、鮮やかな色彩感覚と様式美あふれる作品で知られた映画監督の鈴木清順(すずき・せいじゅん、本名清太郎=せいたろう)さんが13日午後7時32分、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患のため東京都内の病院で死去していたことが22日、分かった。93歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は妻崇子(たかこ)さん。

 鈴木監督の代表作「ツィゴイネルワイゼン」で一人二役を演じた女優・大谷直子(66)は「すべて鎌倉ロケでした。摩訶(まか)不思議な映画ですが、清順さんは力まずに淡々として現場におられた。インテリジェンスのある人。周りの人の尊敬を一身に受けていました」と恩師をしのんだ。

 夫役の故原田芳雄さん、友人役の故藤田敏八さんを前に、大谷がこんにゃくをちぎりながら話す場面が印象的だ。「ちぎり方について何もおっしゃらないので、家庭で作っているまま、親指を入れてちぎっていたら『はい、OK!!』と。静かな演出。納得させられた」。大谷は同作で日本アカデミー賞優秀主演女優賞やキネマ旬報主演女優賞を受賞した。

 「原田さん、藤田さん、昨年亡くなったプロデューサーの荒戸源次郎さんら同性にリスペクトされる存在でした。男らしい方なんだなと。いい現場でした。作品を愛しているという清順さんの思いが伝わってきた」。大谷は巨匠の薫陶を受けた現場を懐かしんだ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス