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2008 兵庫県オープンゴルフトーナメント

2008 兵庫県オープンゴルフトーナメント
最終日 (4月6日・吉川インターゴルフ倶楽部メッチャ)


13番、豪快なショットを放つ小田孔明=吉川インターゴルフ倶楽部メッチャ


前半はスコアを落とすが後半追い上げ、2位タイの井上忠久=吉川インターゴルフ倶楽部メッチャ


今大会使用したピンを手に喜びの小田孔明(右)とベストアマに輝いた寺西明=吉川インターゴルフ倶楽部メッチャ

 

小田孔明 逆転V…ツアー初制覇へ弾み

 「2008兵庫県オープン・ゴルフトーナメント」最終日は4月6日、兵庫県三木市の吉川インターゴルフ倶楽部メッチャ(6820ヤード、パー72)で行われ、首位と5打差で出た小田孔明(29)=フリー=が1イーグル、7バーディー、1ボギーでコースレコード64をマークし、通算9アンダーで逆転優勝した。今大会は初出場初勝利。1打差の2位は初日首位タイの井上忠久(31)=フリー=ら3人。同じく初日首位タイの小黒貴志(27)=フリー=は5位に終わった。ベストアマは通算2アンダーの寺西明(42)=神有=がプレーオフで今井秀樹(43)=朽木=を下して獲得した。

 

 ▼コースレコード64で5打差ひっくり返した!!

 トッププロの貫禄を見せつけた。昨年賞金ランク9位の小田孔が、すさまじい爆発力で5打差をひっくり返して鮮やかな逆転V。優勝賞金300万円の目録を手に「奇跡ですね。これからは“まくりの小田”と呼んでください」と高笑いだ。

 

 攻めに攻めた。アウトで3連続を含む5バーディーを重ねて追撃態勢に入ると、後半はさらに勢いが加速する。圧巻は12番ロング。抜群の飛距離で2オンに成功し、8メートルをねじこんで初イーグルを奪取した。続く13番では1打目を左に曲げて暫定球を打ったが、ラフに残る幸運にも恵まれ、バーディー。この日8つスコアを伸ばす会心のプレーだった。

 

 ホールアウトから待たされること約2時間。食事をした後、ひたすら練習グリーンでパッティングを繰り返し、すっかり待ちくたびれたころに朗報が舞い込んだ。「正直言って勝つのは無理かなと思っていた。よくてプレーオフとは思っていたけど…。大会前にデイリーさんに優勝候補と大きく書いてもらっていたんで、恥ずかしい成績じゃなくて良かったです」と笑顔をはじけさせた。

 

 昨年はツアーで優勝争いに何度も加わり、飛躍の年となった。今季は悲願のツアー初Vを目標に掲げている。左肩痛の持病を抱えており、オフはひたすらトレーニングに明け暮れ、筋力強化に努めた。そのおかげで自慢の飛距離はさらに伸びて方向性も良くなった。「去年よりいいゴルフができる手応えがある。1勝だけでなく2、3勝としたい」と欲も出てきた。

 

 今年からボールやキャディーバッグに「67」という数字を記している。6月7日生まれにちなんだ数字で「常に67というスコアを目指したい。そうすれば優勝もついてくるはず」と話す。

 

 その数字を上回る、コースレコード64をマークして兵庫県オープン初出場初優勝。「これで最終調整は完了。いいシーズンになりそうな予感がする」。17日に開幕する男子ツアー初戦・東建ホームメイトカップへ最高の弾みがついた。

 

 ▼井上忠1打差2位「また孔明にまくられた」

 今季のツアーシード権を獲得している井上忠久(フリー)が貫録を見せつけた。7バーディー1ボギーの6アンダーで首位タイ。「全部が良かった。 「あ〜、また孔明にまくられたよ」。1打差で涙をのんだ井上忠が思わず天を見上げた。前半は再三のバーディーチャンスにパットが決まらず、我慢のゴルフを強いられた。7番では1・5メートルから、まさかの3パットでボギー。後半に入って3バーディーで懸命に追い上げたが届かなかった。

 

 昨年のローカル大会、南都オープンの再現だった。初日首位に立ったものの、最終日に小田孔が62をマーク。4打差をひっくり返されて優勝をさらわれた。そして今回は5打差。一層悔しさの募る敗戦となった。

 

 「何とかツアーでやり返したいね」。井上忠にもシードプレーヤーとしての意地があるだけに、このまま引き下がるわけにいかない。今季は小田孔と井上忠の“因縁の戦い”も大いに注目を集めそうだ。

 

 ▼木場本 悔し18番

 2位に終わった木場本猛(西宮名塩ゴルフセンター)にとっては、悔やみきれない最終18番となった。小田孔と並んで通算9アンダーで迎えたこのホール、1打目を右に曲げて、2打目はグリーン脇のバンカーへ。寄らず入らずのボギーで無念の終戦となった。「しゃあない。これが実力です」とがっくり。1カ月前に車を運転中に追突されて腰と首を負傷。痛みが残る中での懸命のプレーは実らなかった。

 

 ▼初日首位タイの小黒 伸びずに5位

 初日6アンダーでトップタイの小黒貴志(フリー)が71とスコアを伸ばせず5位に終わった。前半のアウトでは2バーディーを奪ったが、インに入ると「いいところについても、ここぞというところでパットが入らなかった」。アマチュア時代は兵庫県で敵なしだったが、プロ2年目で「初優勝のチャンスだったのに、がっくりです。疲れました」と肩を落とした。それでも「ショットはいいので、次、がんばります」と気を取り直した。

 

 ▼井戸木鴻 完走に収穫

 2月中旬のランニング中に左足首を骨折した井戸木鴻だが、ベテランらしい堅実なプレーを披露し、優勝争いに絡んだ。しかし、最終18番で3メートルのバーディーパットが入らず、プレーオフに持ち込めなかった。2位に終わったが「足の状態を考えれば、ここまでよく頑張れたと思う。2日間完走できたことが収穫」とさばさばした表情。

 

 ▼寺西 今井とのプレーオフ制してベストアマ

 ベストアマをかけた戦いはプレーオフにもつれ込んだ。10番から始まったプレーオフ2ホール目の11番、前日アマ首位の今井が2打目を右横5メートルにつければ、寺西は手前1メートルにピタリ。勝負のパット、ピン右をスルリと抜けた今井に対して、寺西はスライスラインを読み切り、真ん中からねじ込んだ。

 

 「地元(明石市在住)なので、応援してくれる人のためにも、どうしても勝ちたかった」。初日は2オーバーだったが、7バーディー(3ボギー)の大まくりで今井に並んだ。「昨日はOBや3パットがあったが、いける自信はあった。きょうはパターの調子がよかったし、去年の南都オープンで、小田プロが優勝したときに、ぼくがベストアマだったから」と、この日の勢いそのままにプレーオフを制した。

 

 20代はビリヤードで「プロになろうかと思っていた」ほどの腕前。家業の関係から断念してゴルフに転向した。「小技とか、メンタル面はビリヤードをやっていたのが役立っている」という。

 

 42歳でゴルフの花が咲きそうだ。昨年の日本ミッドアマで日本アマのシード権を獲得。「日本アマに出るのは初めてなので、頑張りたい」。アマのヒノキ舞台へ、幸先のいいスタートが切れた。

 

 ▼ナイス、ミスショット

 ▽岩元洋祐(8バーディー、2ボギーの66で6位タイに)「(初日トップの)小黒さんとは、家も近所で、いつも練習を一緒にさせてもらっている。負けておれないですから」

 

 ▽山下和宏(昨年覇者。68の好スコアで12位タイ)「最後は60台を出せて少しは意地を見せられた。5月には子供も生まれるので、今季はツアーの賞金シードを絶対に取りたい」

 

 ▽今井秀樹(初日アマトップ、この日もパープレーだったが、プレーオフで敗れて)「(プレーオフ2ホール目のパットは)スライスラインとフックを読み間違ってしまった。でも相手はバーディーだから仕方ない。僕のゴルフは120点でした」

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