95歳でエージシュート1000回達成 広島の高橋久司さん「100歳まで元気にゴルフする」

エージシュート1000回を達成した高橋久司さん
高橋さんの力強いドライバーショット
2枚

 広島・福山ゴルフ倶楽部に、エージシュート1000回を達成したスーパーシニアがいる。府中市在住の高橋久司さん、御年95歳。今年9月に大台に到達し、現在も週2回のペースで記録を伸ばし続けている。「エージシュートが元気の源であり楽しみ。100歳まで元気にゴルフをしたい」と意気軒高だ。

  ◇  ◇

 年齢以下のスコアで回るエージシュートはすべてのゴルファーのあこがれ。高橋さんは74歳の時、福山GCで72で回り、初めて偉業を達成すると、その後もハイペースで記録を積み重ね、2015年に500回到達、19年に800回到達、そして今年9月18日に、ついに大台1000回を成し遂げた。

 JFE瀬戸内GCや久井CCでも達成しているが、大半は会員歴40年の福山GCでの達成。80歳からは赤ティー(5492ヤード、パー72)を使用し、現在も週2回のラウンドで記録を伸ばし続けている。「去年1度失敗したけど、今年はすべて成功している。今年のベストスコアは86。いつも90前後ぐらいで回っとる」。コンペなど競技で達成したものだけをカウントし、証拠として成績表とスコアカードを保存。「6インチプレース(移動)」も使わないという。

 ゴルフを始めたのは49歳の時、友人からクラブを譲り受けたことがきっかけ。85歳まではHC6をキープしていた。現在のドライバーの飛距離は160ヤード。「昔はぶちたたきよってパーシモンで280ヤードぐらい飛ばしとったのに、だんだん飛ばんようになってしもうた」と悔しそう。学生時代は剣道に打ち込み初段の腕前。戦時中は銃剣術の訓練に明け暮れた。戦後は建設会社に勤務し、仕事場まで毎日1時間半の道のりを自転車で通った時期もあった。「昔から体だけはよう鍛えとったからね。体が丈夫なのが1000回できた理由じゃろうと思う」

 現在は妻の鈴恵さん(92)と神戸から戻ってきた娘と三人で暮らしている。好きな食べ物は野菜炒め。「昔から肉はあんまり食わんね。戦争でろくな食べもんがなかったら、体質がそんなふうになってしもうたんじゃないかな」。2カ月に1度、血液検査を受けているが、すべて正常値で医者からも驚かれている。「一緒に回る人のプレーもちゃんと見てスコアもつける。頭の体操。ぼけ防止にいいんじゃ」。90歳の時に運転免許を返納。自宅からはバスで約40分かけてゴルフ場に通う。

 20代の時に貨物列車から飛び降りて意識不明になったり、進駐軍のトラックにひかれて両足に大けがを負ったことはあるが、病気はこれまで一度もしたことがない。「それにしても、この年までよう生きたもんよね。小学校、中学校、大学の同級生はみんな死んでしもうた。半分は戦死しとるんだけどね。もうだれも残っとらん」としみじみ。今後の目標は「100歳まで元気にゴルフをすること。そうすればあと400回ぐらいはいくじゃろう」。高橋さんのエージシュートへの挑戦はこれからも続く。(デイリースポーツ・工藤直樹)

 ◆高橋久司(たかはし・ひさし)1926(大正15)年9月15日生まれ。芦品郡府中町(現府中市)出身。8歳の時に家族で関東州(旧満州)大連市に移住。奉天農業大学在学中に終戦を迎え、翌1946年夏に軍艦に乗って帰国。土方などいくつかの職を経て建設会社に勤務し、76歳まで働いた。身長168センチ、体重70キロ。好きなテレビ番組はゴルフ中継。好きな選手は「昔の選手なので、顔は分かるんだけど名前が出てこん」。

 【福山GCのエージシュート四天王】 県内2番目に古いゴルフ場であり、河川敷のコースとしても知られる福山GCには高橋さん以外にも多くのエージシューターが会員として名を連ねる。

 高橋さんが毎週土曜のコンペで一緒に回っているメンバーも達人ぞろい。山岡隆さん(86)は875回、中山晢さん(85)は510回、安原司郎さん(84)は420回、それぞれエージシュートを達成しており、高橋さんも含めると4人で350歳、通算2805回(記録は9月18日時点)。福山GCが誇る「エージシューター四天王」だ。

 また、岡山県井原市から訪れる山本一司さん(91)も通算1000回超えを達成しており、福山GCは知る人ぞ知る「エージシュートのメッカ」となっている。

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