藤田寛之 賞金シード陥落“中年の星”23季連続保持も悔し 4打足りず予選落ち

 「男子ゴルフ・カシオ・ワールドオープン・第2日」(26日、Kochi黒潮CC=パー72)

 ツアー通算18勝の藤田寛之(52)=葛城GC=が2バーディー、3ボギーの73で回り、通算2オーバーの99位で今季13度目の予選落ちした。継続中の選手としては最多の23季連続で守ってきた賞金シードからの陥落が決まった。

 43歳で賞金王になるなど「中年の星」と言われた藤田が、非情な終幕を迎えた。18番はバーディーで締めたが、予選カットラインに4打足りなかった。大会前の獲得賞金額は1120万円で70位。次週の最終戦は今季優勝者や賞金ランク上位者しか出られないため、上積みできずに今季終了。65位までに与えられる来季の賞金シードを逃した。

 2年前のこの大会では、谷口徹が22年守ってきた賞金シードを逃し、報道陣の前で激しく泣いた。藤田は明るく振る舞ったが「(シード選手の証しである)バッジを頂くことができないのは悔しいし、情けない…」と本音もぽつりと漏らした。

 パワーゴルフ時代に260ヤードほどの飛距離で闘ってきた。だが、生命線である寄せやパッティングの衰えは隠せなかった。「自分でも『おまえ、よくやってるよ』とも思う。できるだけ、この場(レギュラーツアー)にいたいし、プライドを持ってやってきた。でも、体も心も痛いところだらけ。若い選手とのバーディー合戦になると、どうしても追いつけない」と明かした。

 生涯獲得賞金額(15億3300万円)が現在6位で、25位までの選手には1季に限りツアー参戦が許される。藤田は出場予選会に挑戦するか迷った末、来季は権利を行使することにした。「技術を立て直し、もう一度、挑戦者として、本来の自分のゴルフをしてみたい」としんみり語り、帰り支度を始めた。

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