上田桃子1年11カ月ぶりV “桃子対決”制した!POで34歳ベテランの意地

 「女子ゴルフ・パナソニック・オープン・最終日」(2日、浜野GC=パー72)

 朝から吹き荒れた強風の中、大混戦を抜け出し通算5アンダーで上がった上田桃子(34)=ZOZO=が大里桃子(22)=伊藤園=とのプレーオフを2ホール目で制した。2019年6月のヨネックスレディース以来1年11カ月ぶりの今季初優勝。米ツアー会員として出た大会の1勝を含め、ツアー通算16勝目となった。1打差の3位に稲見萌寧(21)=都築電気=ら7人が入った。次週は6日開幕の国内メジャー大会、ワールド・サロンパス・カップ(茨城県つくばみらい市)となる。

 ツアー史上初の“W桃子対決”を制したのは、正規ラウンドを1ボギーの73と耐え抜いた“先輩”上田だった。同郷の熊本出身で、同じ名前の大里とのプレーオフ。最大瞬間風速20・2メートルの強風がやまぬ中で2ホール目、1メートルのパーパットをしっかり沈めた上田が両手を高々と上げた。

 「この試合に入る前の2週間ほど本当に悩んでいて。サクちゃん(同門の小祝さくら)を筆頭に若い子がみんな頑張っている中、私は自分のストロングポイントだったはずのショットで凡ミスが出たり、自信がなくなっていた。目標も見えなくて」。今大会でキャディーを務めた辻村明志コーチ(45)に泣きながら「勝てる気がしない」と訴える日々だったという。

 だが、トーナメントを休み、調整に充てた前週、茨城・大洗GCで同コーチと2日間のプチ合宿を敢行。ゴルフ漬けの時間の中で自分を取り戻し、この大会に臨んだ。「『見てくださる人に喜んでもらえるようなゴルフ』が目標だったけど、無観客大会が続いてモチベーションも上がらなかった。でも突き詰めたら、誰より基礎がしっかりできる選手になろう、そう思った」。6月には35歳になるベテランが改めて自らに与えた道しるべだった。

 100ヤード以内の10ヤード刻みの打ち分け、1・5メートルのパッティング、クラブの入射角を意識した打撃練習…。これまでの上田桃子を築いた土台をとことんやり直しているという。「猪突(ちょとつ)猛進だった自分が、先輩たちが次々にいなくなる中でちょっと格好つけていた。格好つけることも大切なことだけど、泥くささをなくしていた。量より質なんて言ってないで、やれるだけの練習をやる」と上田。吹っ切れた直後の価値ある優勝。これで次週のメジャーも大いに楽しみになった。

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