有村智恵 東日本大震災から10年 涙で声を詰まらせ第二の故郷を思う

 「女子ゴルフ・明治安田生命レディース」(12日開幕、土佐CC=パー72)

 東日本大震災発生から10年の11日、東北高出身の有村智恵(33)=日本HP=が“第二の故郷”への思いを語った。練習ラウンド後に臨んだ公式会見で時折、涙を浮かべて声を詰まらせる場面もあった。

 10年前の3月11日も今大会と同じ土佐CCにいた。初日のラウンド後、囲み取材で報道陣から「東北地方で大きな地震があった」と聞かされた。その時は「ちょっと大変なことが起こったのかな」という程度の感覚だった。しかし、夜に部屋で見たテレビ映像に「言葉を失った。衝撃を受けた」と振り返る。

 「ゴルフをしていていいのか」「そもそも自分がゴルフをしていて、社会の人の役に立っているのか」などと葛藤に悩まされた。発生2カ月後には宮城・山元町の山下小学校に足を運んでいた。

 体育館で目にした光景が忘れられない。キッチン用具、生活家電、ランドセル、アルバム、位牌(いはい)など、津波で流されたあらゆる物が並べられていた。「引き取りに来る人がいてほしい」と心から願った当時の心境を思い出し、涙を浮かべた。

 その後も山下小学校には毎年、訪問している。自身がスランプに陥った時には「どこかであの時に会った子供たちとか、東北の人たちが見ているかもしれないと思うと頑張ろうという気持ちに何回もさせられた」と発奮材料にしてきた。

 昨年からのコロナ禍で、自身が競技を続けることに迷いはなくなった。「今はスポーツ、エンターテインメントの力が大きいと思っている。いい成績を残すことで前向きになってくれる人たちがいればと思いながらやっていきたい」と全力プレーを届ける。「毎年、ここに来るとちょっと悲しい気持ちになる。いい成績を残し、いい思い出としてもこのコースを刻みたい」と試合での活躍を誓った。

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