原英莉花メジャー連覇!完全V締め 史上15人目の年間2勝「大きな第一歩」
「女子ゴルフ・ツアー選手権リコー杯・最終日」(29日、宮崎CC=パー72)
21年と統合することが決まっているシーズンの20年内最終戦。原英莉花(21)=日本通運=が3バーディー、3ボギーの72で回り、通算10アンダーで初日から首位を譲らない完全優勝を果たした。今季2勝目、通算3勝目で日本女子オープンに続く年間メジャー2勝は史上15人目、日本人10人目。5年シードを獲得した。
最後まで緊張でガチガチだった。最終18番、原英は1・5メートルのパーパットを1メートルオーバー。返しのウイニングパットを無事沈めると、ほっとしたように右手で胸を押さえて空を仰いだ。
「最後のパーパットを外してしまい、緊張がMAXでしたね。完全優勝は私自身初めての勝ち方なので、素直にうれしいです」
2番で2メートルのパーパットを外してボギーが先行。嫌なムードも漂ったが、6番で3メートルのバーディーパットを沈めて流れを引き寄せると、10番、13番でもスコアを伸ばし、後続を突き離した。
「今週はツーサムというのが大きく、私は本当に勝負好きなんだと思った。目の前で戦っている感じが自分を奮い立たせる。普段は入らないようなパットも気持ちでねじ伏せた」
ラッキーもあった。勝負どころの13番は第1打が右に曲げるミスショットだったが、木に当たって左のラフにはね返り、第3打を1・5メートルにつけてバーディー。「木に当たらなかったら林の中かOBかというショットだったので、運がよかった」と首をすくめた。
前日は後半でエネルギー補給のおにぎりを食べるのを忘れ、疲労とも戦わなくてはならなかったが、この日は後半でしっかりとおにぎりをほおばった。「昨日のミスがあったので、ちゃんと食べました」とちゃめっ気たっぷりに笑った。
日本女子オープンに続いてメジャーを制し、名実ともに女子ゴルフ界を代表するプロへ躍進した。19年は畑岡奈紗が日本タイトル2冠、渋野が国内外メジャーを制覇。年間メジャー2勝を果たし、同じ黄金世代を代表する2人に肩を並べ「自分のゴルフ人生にとって大きな第一歩を踏み出せた」と胸を張った。
さあ、次は自身初の海外メジャー、全米女子オープン(12月10日開幕、米テキサス州)。「今の自分でも戦えるように、日々勝負強さを磨いていきたい」。強さと抜群のビジュアルを兼ね備えた最強女王が誕生した。