琴乃の弟・香妻陣一朗が初V 「ここまで長かった」挫折を乗り越え復活果たした

 「男子ゴルフ・三井住友VISA太平洋マスターズ・最終日」(15日、太平洋クラブ御殿場=パー70)

 女子ゴルフの香妻琴乃の弟で、ツアー本格参戦8年目の香妻陣一朗(26)=フリー=が68で回り、通算8アンダーで初優勝を果たした。最終18番のイーグルで逆転するスリリングな展開。一度はシード権を落とし、ゴルフをあきらめかけた男が劇的によみがえった。

 かつて九州の天才少年と言われた香妻が「ここまで長かった」と、ほっとしたように本音を漏らした。8年前、高3の秋にプロ転向。「すぐに勝てると思っていたのに、最近はもう勝てないのではないかと…」。気丈な男は同じ九州勢の仲間に囲まれて泣いた。

 名物の最終18番パー5で勝負をかけた。1組後の木下稜を1打差で追う展開に腹を決め、あえて第1打は3番ウッドを握りフェアウエーに置いた。そして残り230ヤードの第2打、5番アイアンで2段グリーンの上段、右端のピンを狙い20センチにつける。渾身(こんしん)の一打でイーグルを奪取し、鮮やかな逆転劇を演じてみせた。

 3歳から姉と一緒に家族の運転する軽トラに乗せられ、自宅近くで横峯さくらの父・良郎さんが主宰するゴルフ塾「めだかクラブ」に通った。高校時代には3学年上の松山英樹とともに世界アマの代表に選出。期待を胸にプロ入りしたものの最初の3年間は賞金ランク100位台。4年目にようやく取ったシード権は2年で手放し、「ゴルフはもういいや」と思った。それでも仲間の励ましで「勝つまで絶対やめない」と立ち直り、ついに初優勝をかっさらった。

 この優勝で21年1月の米ツアー、ソニーオープンの出場権を得た。挫折を踏み台に、大きくジャンプしようとしている。

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