【綾子の視線】笑顔忘れない渡辺さんのVうれしい 若手盛り上げベテランが締めた

 「女子ゴルフ・アース・モンダミンカップ・最終日」(29日、カメリアヒルズCC=パー72)

 今季女子ツアーは新型コロナウイルスの影響で約4カ月遅れて開幕した。黄金世代の田中瑞希(21)=フリー=やプロデビュー戦の西郷真央(18)ら新星が台頭し、渡辺彩香(26)=ともに大東建託=が鈴木愛(26)=セールスフォース=とのプレーオフを制して5季ぶり復活優勝。また史上初めて大会を通じて無観客で開催され、23年ぶりに最終ラウンドが予備日の29日に順延されるなど見どころ、話題の多かったシーズン初戦をデイリースポーツ評論家・岡本綾子氏(69)が総括する。

  ◇  ◇

 渡辺さんの復活には、うれしい、もうこの一言です。優勝は5年ぶりですか…、よく我慢してこれたと思う。彼女は調子が悪い中でも、人と接する時に笑顔を忘れなかった。だからこそ、たくさんの人が何とかしてあげたいと思っていただろうし、岡本綾子もその一人。本当に良かった。

 予選ラウンドのプレーを観て、ここ数年見受けられたインパクト後の右肩の突っ込みがなくなり、インパクトの軸位置で回転ができている-、と指摘しました。このスイングを崩すことなく最終日、優勝を争う中でも思い切りよく振れていました。もう彼女の中でスイングへの不安はなくなったんじゃないかな。もともとアプローチはそんなに光る方ではありませんが、今のスイングならアプローチ、特にロブショットもうまくこなせます。2戦目までの1カ月半でアプローチを磨き、さらに強くなった渡辺さんを見せてくれることを期待しています。

 21歳の田中さんと20歳の古江さん、18歳の西郷さんが最終日最終組で回りましたが、最後は渡辺さんと賞金女王・鈴木さんのプレーオフ決着となりました。若手がこのままいくかと思いましたが、ベテラン勢が意地を見せてくれて、ちょっとホッとした部分もあります。鈴木さんはパットのうまさに定評がありますが、ショットもアプローチも全部上手。プレーオフで敗れはしましたが、開幕戦として考えれば非常にいいスタート。現在の女子選手ではやはり、頭一つ抜け出た存在です。

 最終組の3人もよく頑張ったと思います。田中さんはこの日に経験した、優勝争いのプレッシャーというものを自分の中にどう落とし込むか。古江さんはショットがぶれた原因、理由はどこにあるのかを把握すること。西郷さんはアドレスに入った時の面構えがいいですから、そういうここぞで集中力を高められる能力をもっと磨いていけばいい。3人とも伸びしろいっぱいですから、今のうちにどんどん伸びていってもらいたい。

 約4カ月遅れの開幕となりましたが、コロナ禍の中で、選手も関係者もみんな大変だったと思います。ただ、この大会は23年ぶりに最終日を順延して開催したことも含め、すべてにおいて本格的にしっかりと考えて開催してくれました。多くの人の協力がなければ、ここまでの大会はできなかったでしょうし、そこは本当に感謝です。若手が大いに盛り上げ、ベテランがきっちり締めた開幕戦。新たな顔ぶれも出てきました。今シーズンも面白くなりそうです。

 

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