【綾子の視線】五輪代表選考本格化、焦りは禁物

 デイリースポーツ評論家の岡本綾子氏が、選手の心理や技術を、独自の視線でつづります。

 ◇ ◇

 国内ツアー開幕まで1カ月を切りました。畑岡さん、河本さんらはすでに米ツアーで活躍していますが、6月末までの五輪代表を巡る争いは、いよいよ本格化します。

 畑岡さんは開幕戦、2戦目と続けて2位。今季はやってはいけないことを、なるべくやらないようにして、ミスを減らすことを大事にプレーしています。コーチから、いいアドバイスをもらっているのでしょう。ケガでもない限り、五輪代表は間違いありません。

 河本さんもいいスタートを切りました。夢に向かって脇目を振らずに突っ走り、フェアウエーをスキップしているように見える。今は目にするもの、手にするもの、肌で感じるもの、全てが目新しく、何をやってもホップ、ステップになる時期です。

 河本さんは米デビュー戦でスロープレーで罰金を受けましたが、罰打なしというところが米ツアーらしい。私は欠場を決めていた試合に急きょリエントリー(再出場)を申し込み、罰金を払って認められたことがあります。日本ではまずあり得ない。米は全てが合理的で、これが文化の違い。いい経験をしたと思います。彼女が五輪代表争いに絡んでくると面白くなります。

 そして、渋野さん。世間の皆さんは大きな期待をかけていますが、少し「優勝」というものを簡単に考えているように感じます。渋野さんと言えど、簡単に優勝はできません。ただ、優勝する“オッズ”は上がっているでしょう。プロは出場選手を見渡して、私は優勝候補の何番手、彼女は何番手、なんてことを考えちゃうもの。優勝候補の上位にいることは、戦う上で有利に働きます。

 現在、世界ランキングで日本勢3番手の鈴木さんは一番焦りがあるポジションですが、彼女は白か黒かではなく、白に近い色をずっと、ず~っとキープできる。いい意味でしぶとい。これは昔で言うと樋口さん、直近では不動さん。ずっと上位を走れるメンタルを持っていることは耐久レースでは最高の強み。6月末まで世界ランキング15位以内を守り抜くことを期待したい。

 調子のピークをどこに持っていくか、今季に関しては何とも言えない。地道にコツコツやっていては五輪代表に選ばれないかもしれない。最初からギアを入れっぱなしでもいいかもしれない。ただ、焦りは禁物。焦ると判断を鈍くし、我が出てしまう。オフに取り組んできたことが無駄になりかねない。まずは目の前の一打に集中すること。まわりの選手の成績は自分ではコントロールできませんから。

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