ランクン 涙の初V!19歳“タイ”したもんだ 3位以内でカメラ…父との約束に奮起

 「女子ゴルフ・ニッポンハム・レディース・最終日」(14日、桂GC=パー72)

 今季開幕から日本ツアーに参戦しているタイの新星、19歳のS・ランクンが1打差3位から5バーディーを奪って67と伸ばし通算15アンダーで初優勝を飾った。3打差2位に河本結と稲見萌寧、さらに1打差4位に岡山絵里ら3人。イ・ボミ(韓国)は9アンダー8位に入り、史上9人目の生涯獲得賞金8億円突破を果たした。

 前日はパットが思うように決まらず首位から陥落し、練習をせずホテルに戻ったというランクン。すると「夢に出てきちゃったんです、パッティングが。全部入る夢だったからよかった。優勝シーンまではいかなかったけれど」と笑う。

 夢が現実になった。前半は1・5メートル、3メートル、30センチのバーディーチャンスを逃さず決め、後半も10、12番で2つ伸ばして抜け出した。「お父さん(キャディーを務めるスラットさん=52)が、この大会で3位以内に入ったらカメラを買ってくれるって言ってたからそれを目標に、自分がいいプレーすることだけにフォーカスしてた」。

 タイは今や、米ツアーでも欧米、韓国に匹敵する強豪国。大企業が若手をサポートし、ゴルフ場で英才教育が施されている。ランクンもそんな環境で育ち、英語もペラペラ。12歳でゴルフを始め2015年、15歳でプロ転向。翌年にはタイ国内で優勝を飾り17、18年は中国ツアーの賞金女王に輝いた。これまでタイ、中国、台湾、香港、フィリピンで計15勝を果たしている。「でもこの優勝は今までの優勝とは違う。日本は私のキャリアの中で一番タフなツアー。賞金も一番ビッグ。大きな夢がかなった」と、涙の後に目いっぱいの笑顔をふりまいた。

 今回の優勝で、20年東京五輪出場の可能性も出てくる。「来年の東京五輪は私の最も大きな夢の1つ。出場できることを楽しみにしている」とも語った。これからどんどんファンを増やしそうなタイ娘だ。

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