「男子ゴルフ・ダイヤモンド杯・第３日」（２３日、カレドニアンＧＣ＝パー７１）

　首位と８打差の５位で出た片岡大育（２８）＝Ｋｏｃｈｉ黒潮ＣＣ＝が６バーディー、１ボギーの６６と伸ばし、通算１１アンダーでトップと１打差の３位につけた。１年ぶりのツアー通算３勝目を逆転で狙う。６打リードの単独首位で出た高山忠洋は７３と崩れ、６７と伸ばしたプーム・サクサンシン（タイ）と通算１２アンダーで並んだ。

　曇天を切り裂く会心の一打が、片岡を急加速させた。１５番パー４で残り１８６ヤードをピンそば２メートルにピタリ。最難関ホールを仕留め「勢いづいた」と、１６番では５メートルを沈めて連続バーディー。終盤４ホールで３つ伸ばし、優勝戦線へ浮上した。

　今季１５戦でトップ１０はわずか２度。息を吹き返したきっかけは「病み上がり」と自嘲していたショットだったが、上昇の要因は片岡にとっての命綱、パットの復調だ。師事する青山充コーチを会場に呼び寄せ、予選ラウンド後に「オープンになっていたアドレスを真っすぐに」突貫工事。昨季平均パット２位のグリーン上の名手だ。「悩みが吹っ切れた」なら、好スコアは必然だった。

　コンビを組む伊能恵子キャディーが、元ＳＭＡＰの中居正広が司会を務める深夜の人気バラエティー番組「ナカイの窓」に出演。ゴルフ界の存在感ではやや押され気味とあって、「僕のライバルは伊能さん。負けていられない。追いつかないと」と発奮材料にしている。

　過去２勝は、いずれも最終日にまくって勝ち取っている逆転男。「自分がいいプレーをすることだけを考えてやる」。どん底を味わい、もがいてきた片岡に、もう恐れるものはない。