【桜の勇者たち】SH流大の高校時代の目標「W杯で達成」

 ラグビーW杯日本大会は9月20日、1次リーグの日本-ロシア戦(味スタ)で開幕する。前回大会の15年イングランド大会では1次リーグ3勝1敗としながら、勝ち点差で8チームが出場する決勝トーナメント進出を逃した。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(49)は前回果たせなかった8強を目標に設定。一生に一度の自国開催の舞台で、快挙の夢へ挑む選手たちを連載企画「桜の勇者たち」で紹介する。第5回は攻撃の起点となるSHでレギュラー争いを繰り広げる流大(26)=サントリー=に迫る。

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 166センチの小柄な体ながら、日本代表の中で大きな存在感を示している。名字の「流」は「ながれ」と読み、名前の「大」は「ゆたか」と読む。17年から日本代表に定着。その座を志したのは、熊本県立荒尾高(現・岱志高)時代からだった。

 目覚めると同時に、スイッチが入った。寝る前に、目標を再確認した。ベッドに横になれば、自室の天井に張った紙が目に入る。“日本代表になる”。そう書かれていた。

 「ずっと日本代表になると思ってやってきました」と振り返る高校時代。福岡県久留米市の自宅から電車通学。午前5時過ぎに起床し、6時前には電車に乗り、誰よりも早くグラウンドに立つ。帰宅は22時、23時になることも。勉強は電車の中で済ませた。誰よりも練習することを自らに課した。理由は2つ。

 高校からラグビーを始めた周囲と、モチベーションに差があった。「自分の理想を語っても、価値観が違ったら意味がない」。だから練習した。「どんなことでも100%で取り組む。周りに厳しく要求する分、自分もやろうと思っていました」と振り返る。

 もう一つの理由は、見えないライバルとの戦い。「人と同じことをやっていてもダメ。全国にはうまい選手がいっぱいいる。そういう選手に勝つには環境が違っても、努力、と思っていました」。常に代表を意識して、過ごしてきた。

 昨季はサントリーと、サンウルブズで主将を務めた。勝ちきれず、苦しんだ。「去年は苦しんだ。プレッシャーを感じて、パフォーマンスも納得のいかない部分もかなりあった。いろいろと学ばしてもらった」。

 初めて壁にぶつかって、今がある。高校時代の目標、日本代表は今や18キャップ。まだ達成したとは思わない。「W杯で達成できると思う」。W杯。そのパスから、よどみない攻撃への豊かな流れを作り出す。

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