マフィ魂の先制トライ 母国相手に有言実行の一撃
「ラグビー・パシフィックネーションズカップ、日本41-7トンガ」(3日、花園ラグビー場)
日本が5トライを奪って41-7で完勝した。日本は恥骨の炎症から復活し、今年初めて先発したフランカーのリーチ・マイケル主将(30)=東芝=がフル出場でチームをけん引。前半10分、トンガ出身のナンバー8アマナキ・レレイ・マフィ(29)=NTTコミュニケーションズ=が先制トライを奪った。
母国を相手に、豪快に決めた。前半10分、攻め込んでのラインアウトからのモール。パワー自慢の相手を逆に力強く押しこみ、マフィが先制トライ。「日本でプレーして強くなった。フィジカルで負けへんようにする」。有言実行の一撃だった。
トンガ代表になることが夢だった。日本の花園大への留学後、2度の直訴は却下された。だが、14年にNTTコミュニケーションズで活躍すると状況は一変。トンガ代表、そして日本代表のエディー・ジョーンズHCから代表入りを打診された。
「頭がぐちゃぐちゃになった。今までジャパンに興味はなかった。でもエディーは小さいときから知っている」。心が揺れた。家族に相談して決断した。
「トンガ代表を断って、めっちゃ悲しかった。でも今はジャパンを選んでよかったと思う」。胸を張ってそう言える。試合前。「君が代」を泣きながら歌った。「日本代表で戦えて本当に誇りに思う」。来日して長く過ごした大阪で、さらに大きく成長した姿を見せた。