ラグビー日本、弔い星 リーチ主将完全復帰で2連勝!W杯へ弾み

 「ラグビー・パシフィックネーションズカップ、日本41-7トンガ」(3日、花園ラグビー場)

 日本が5トライを奪って41-7で完勝した。日本は恥骨の炎症から復活し、今年初めて先発したフランカーのリーチ・マイケル主将(30)=東芝=がフル出場でチームをけん引。前半10分、トンガ出身のナンバー8アマナキ・レレイ・マフィ(29)=NTTコミュニケーションズ=が先制トライを奪った。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(HC=49)は母・マウデさんが亡くなったためニュージーランドへ緊急帰国し、トニー・ブラウンHC代行(44)が指揮を執った。

 大黒柱が完全復帰だ。慣れ親しんだ背番号6で、リーチが先発フル出場を果たした。3月に患った恥骨の炎症で調整が遅れ、途中出場した7月27日のフィジー戦で7カ月ぶりの実戦。この日は最後まで立ちはだかった。

 「チームとしてやろうとしていることはできた。10点中、8点くらい」。ジョセフHC不在の中で圧勝劇。「HCがいなくても、選手が考えてやるのが理想」と2万人の観衆の前で胸を張った。

 外国人選手も多い中、スローガンは「ONE TEAM」。その実現へミーティングでは先生になった。資料を準備し、自作のスライドを活用。日本の歴史や日本ラグビーの文化や精神などを伝えてきた。

 その理由を「潜在意識の強化のため」と解説する。昨秋の英国遠征で、格下のロシア戦で苦戦したことが背景にあった。「イングランド戦はいい準備ができていたけど、次のロシア戦で会話の質も変わって、パフォーマンスも落ちた」と言う。

 潜在意識から出る油断。それを「自分の中にちっちゃい声があって、そのちっちゃい声をどうやって鍛えるかが大事」と独特の表現で説明する。内なる“リトル・リーチ”が「ちっちゃい声」で油断をささやかないほど、高い意識を持つ。そのために日本を学び、仲間に浸透させてきた。

 表彰式ではジョセフHCの写真を手にした。「僕たちもジェイミーのことを思っている」。機上の人に勝利を届けた。フィジー、トンガに連勝。「日本代表はかなり強いなと感じます」。手応えは、大きい。

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