ジョセフ日本、フィジー撃破 W杯イヤー5トライで格上に圧勝発進!
「ラグビー・パシフィックネーションズカップ、日本34-21フィジー」(27日、釜石鵜住居復興スタジアム)
世界ランキング11位の日本は、同9位のフィジーに快勝し、W杯イヤー初戦を飾った。日本はWTB松島幸太朗(26)が2トライ、WTB福岡堅樹(26)=パナソニック、25歳の誕生日を迎えたフランカー姫野和樹(トヨタ自動車)もトライを奪うなど5トライを挙げて、相手の攻撃も封じた。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(HC=49)はこれまでの合宿の成果と手応えを口にした。日本は次戦、8月3日に花園でトンガと対戦する。
潮の香りをはらんだ、照りつけるような日差しの中で、新生日本代表が躍動した。W杯仕様の新しいジャージーに身を包んで迎えた、W杯イヤー初戦。かつて北の鉄人が一世を風靡(ふうび)した地、そして東日本大震災の被害を受けた釜石の地で、W杯へスタートを切った。
「日本のラグビーにとってフィジーが一番やりにくい相手。10年で1回しか勝っていない。きょうの勝利は日本のラグビーの成長です」。途中出場したフランカーのリーチ・マイケル主将(30)=東芝=は胸を張る。過去3勝14敗。4連敗中の相手を攻守に圧倒した。
主導権を握り続けた。3-0で迎えた前半8分、SO田村のインゴールへのキックに福岡が飛び込んでトライ。1点差とされた19分にはサインプレーから松島がトライ。「ウイングなのでトライを取り切る」という予告通り決めた。同32分にはラインアウト後のモールから誕生日を迎えた姫野がトライ。「前が空いたので思い切り行きました」。前半だけで29-14と圧倒した。
6月9日から休養を挟みながら、7月中旬まで宮崎で3次にわたる合宿を重ねた。練習のテーマは「強度をゲームより高い状態でやる。疲労していてもしっかりと考えて判断ができるようにする」。故障者が続出したほどハードだった。
その成果は、ミスなくパスをつなぎ主導権を握り続けた試合展開に現れた。ジョセフHCは「ほとんどの時間帯で、わたしたちのポゼッションが上回っていた」と胸を張る。リーチ主将も「宮崎でやったことが出せた。そこが成長」と話した。
ジョセフHCは「まだまだ先は長い。やるべきことはたくさんある」と引き締める。この日をステップに、さらにレベルアップして本番に臨む。