〝スマイルシンデレラ〟渋野が泣いた日

 日本人2人目の海外メジャーVを果たした渋野日向子。今年5月には日本のメジャーでプロ初Vを飾っていた。最終日18番を終えた渋野は…。5月に行われた「ワールド・サロンパスカップ」の4日間をまとめた。

公開日:2019.8.5

 「女子ゴルフ・ワールド・サロンパス・カップ・最終日」(12日、茨城GC東C=パー72) 首位で出た黄金世代の渋野日向子(20)=RSK山陽放送=とペ・ソンウ(韓国)の一騎打ちとなり、4バーディー、3ボギーの1アンダー71で回った渋野が、通算12アンダーで競り勝った。渋野はツアー初優勝で来年から3年間のシードを獲得した。メジャー大会で初優勝を果たしたのは2016年日本女子オープンの畑岡奈紗以来13人目の快挙となった。

渋野日向子がツアー初優勝 ペ・ソンウに競り勝つ

18番で優勝決め…大粒の涙「うれし涙は高2の時以来」

渋野日向子、初Vがメジャー!16年・奈紗以来の快挙 勝因は「やっぱり笑顔」

 いかにも渋野らしい優勝シーンだった。最終18番、2メートルのバーディーパットを外し、ギャラリーのため息を誘った。直後に70センチのウイニングパットを沈めて苦笑い-かと思いきや、その顔が見る見るくしゃくしゃになり、大粒の涙が流れ落ちた。「さすがに涙がこみ上げてきました。うれし涙は高2の時以来ですかね。悔し涙はしょっちゅうですけど」

渋野日向子、初Vがメジャー!16年・奈紗以来の快挙 勝因は「やっぱり笑顔」

 初めての最終日最終組でペと一騎打ち。のどから心臓が飛び出しそうな状況で、百戦錬磨のベテランのようなプレーを見せた。1番でボギー先行も2番で3メートルを入れてバーディー。4番のボギーの後も続く5番で10メートル強のバーディーパットをねじ込んだ。

渋野日向子、初Vがメジャー!16年・奈紗以来の快挙 勝因は「やっぱり笑顔」

「今日の勝因?やっぱり笑顔ですかね」

 令和の“スマイルクイーン”の誕生だ。この日はミスしてもナイスショットしても常に笑顔。「前は喜怒哀楽を表に出していた。でも、それだとスコアが悪いと気づき、今は何があっても笑っていれば何とかなると思っている。今日の勝因?やっぱり笑顔ですかね」と屈託なく話した。

渋野日向子、初Vがメジャー!16年・奈紗以来の快挙 勝因は「やっぱり笑顔」

「全英?出てみたいです。私、すごい試合で勝ってしまったんですね…」

 メジャー制覇で3年シードを手にし、賞金ランクは大会前の22位から2位へ急浮上した。今夏の全英女子オープン出場のチャンスも広がったが「3年シード?それ本当ですか?全英?それも本当ですか?出てみたいです。私、すごい試合で勝ってしまったんですね…」。どこまでも度量の大きい新星が、女子ゴルフ令和新時代の扉を開けた。

渋野日向子、初Vがメジャー!16年・奈紗以来の快挙 勝因は「やっぱり笑顔」

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