安藤美姫が母の舞 出産告白後初の演技

 「ファタジー・オン・アイス」(6日、マリンメッセ福岡)

 フィギュアスケートの元世界女王で、今年4月に未婚のまま女児を出産したことを明かした安藤美姫(25)=新横浜プリンスクラブ=が6日、福岡市内で行われたアイスショー「ファンタジー・オン・アイス」に出演し、出産告白後初となる演技を披露した。ゲスト歌手AIの「ママへ」に自らを重ねながら、情感あふれる滑りを見せた。同公演は7日も行われる。

 浮かぶ笑みには、これまでにない柔らかさがあった。衝撃の“未婚の母”告白後、初めての舞台。安藤はその第一歩に、ゲスト歌手AIの楽曲の中から、「ママへ」を選曲した。自らを生んでくれた母への愛を込めたバラード。AIの生歌に乗り、自分が母になったからこそ分かる思いを情感豊かな滑りに込め、ほぼ満員となった5500人の観衆に、改めてその決意を示した。

 休憩を挟んだ後半の部では、白いドレス姿で賛美歌「アメージング・グレース」をしっとりと表現。エンディングでは、ジョニー・ウィアーらと笑顔でプログラムを踊った。女児の父親を非公表としたことで、大きな反響を呼び、この日も20社70人の報道陣が取材に訪れたが、周囲の喧噪(けんそう)をよそに、心から演技を楽しんだ様子だった。

 ただ、2014年ソチ五輪への道のりは、やはり険しい。報道陣に公開された昼公演では、3回転サルコーに2度挑戦し、1度目は転倒した。先月末のアイスショーでもお手つきする場面があるなど、かつては4回転も成功させた得意ジャンプの精度は、まだまだ完全に戻りきっていない。その他のジャンプはまだプログラムの中に取り組んでおらず、ソチに向けた第1関門となる10月関東選手権までに、どこまで感覚を取り戻せるかが大きな鍵となる。

 この日も報道陣の取材には応じなかった安藤。母として挑む現役ラストシーズン。ただ、自分の信じた道を歩んでいく。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

フィギュア最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(フィギュア)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス