柔道東京五輪金メダル・高藤直寿が現役引退「やっぱりロス五輪は厳しい」昨年講道館杯敗れ決断 阿部一二三がサプライズ登場
21年東京五輪の60キロ級柔道男子金メダルの高藤直寿(32)=パーク24=が9日、都内で会見を行い、「私、高藤直寿は柔道選手として一区切りを付けたことを報告したいと思います」と引退を発表した。会見の最後には五輪2連覇王者の阿部一二三(パーク24)がサプライズ登場し、花束を贈られた。
高藤は7歳から競技を始め、16年リオデジャネイロ五輪では銅メダルを獲得。21年東京五輪では金メダルを獲得した。連覇を目指した24年パリ五輪は、代表争いで永山竜樹(パーク24)に敗れて落選。その後は左膝靱帯(じんたい)断裂などの大けがを負いながら28年ロサンゼルス五輪への出場を目指したが、26年の日本代表選考に関わる25年11月の講道館杯では3回戦敗退を喫していた。
パリ五輪出場を逃した際にも引退の二文字は頭によぎっていたが、最終的な決断は、その敗れた講道館杯。「やっぱりロサンゼルス五輪は厳しいなと思った。諦めたくない気持ちはあったが、現状無理だと思った。妻には、パリ五輪に出られなかった時に『十分頑張ったんじゃない?』と言ってもらっていたけど、講道館杯で負けた時には『やり切ったんだから、自分で決めてね』と言われて決心が付いた。自分はプロとして(柔道)をやっているので、勝てない自分に価値はないと思ってやってきた。勝てない時点でプロとして失格と思って決断した。あとはもう負けたくないという思いもあった」と、胸の内を明かした。
現役生活で一番うれしかった瞬間は、金メダルを獲得した21年東京五輪。「小さいころからの夢を達成できたと同時に、コロナ禍で苦しかった感情が大きいかもしれない。五輪は最高だなと思った。コロナ禍で無観客でしたけど、東京五輪を開催していただけてよかった」と実感を込めた。ベストバウトは決めず、「命のやりとりをやってきたので、決めたくない。戦ってくれたライバルたちに感謝して引退していきたい」とほほえんだ。
今後は所属のパーク24の男子コーチと女子アドバイザーとして活動していく。「目標は全員が強化選手になること。みんなの夢をサポートしていきたい」とし、続けて「幼いころから毎年、全日本選手権を見に行っていた。今その熱さがないなと思っているので、柔道人気を出して、昔の全日本のような空気を味わいたい。柔道界のためになるようなことをしていきたい」と、第2の柔道人生に胸を躍らせた。





