53歳・葛西が4位 9度目五輪に望みつないだ コンチネンタル杯代表確実 鬼門突破を自画自賛「さすがレジェンド」
「ノルディックスキー・ジャンプ・全日本選手権」(2日、大倉山ジャンプ競技場)
ラージヒルが行われ、男子は五輪8大会出場の葛西紀明(53)=土屋ホーム=が124メートル、129メートルの合計260・1点で4位に入った。国際大会出場資格を持つ選手を除いた上位2位に入り、W杯下部のコンチネンタル杯の代表入りが確実。自身9度目となる2026年ミラノ・コルティナ五輪出場に望みをつないだ。22年北京五輪ノーマルヒル金メダルの小林陵侑(チームROY)は体調不良で欠場。女子は同代表の高梨沙羅(クラレ)が4位、丸山希(北野建設)が優勝した。
崖っぷちの葛西が底力を見せた。真っ黄色のスーツを身にまとい、力強くレールから飛び出す。ぐんぐんと飛距離を伸ばすと、W杯メンバーに劣らない124メートルに着地した。2本目も129メートルの好ジャンプ。4位でコンチネンタル杯代表を確実にし、9度目の五輪に望みをつないだ。
北京五輪の選考がかかった21年全日本選手権は、風に恵まれず22位。五輪9大会連続出場の大記録が途絶えた。4年の月日がたち、53歳で迎えた今大会。さらなる進化を見せ、鬼門を突破した。「本当にめっちゃ緊張した。鼓動がドキドキとなるのを感じた」と汗を拭いつつ「さすがレジェンドだ」と自画自賛して豪快に笑った。
ここからはコンチネンタル杯で結果を残してW杯に昇格し、世界ランキングポイントを稼いで、五輪派遣推薦基準となる日本勢上位4枠に割り込む過酷な戦いが始まる。「ワールドメンバーになってから五輪も見えてくる。今はまだ小さい目標として見え隠れしている。コンチネンタル杯で総合3位に入ればW杯に出られるそこを狙っていきたい」と意気込んだ。

