フォルティウス吉村悲願五輪へ ロコに逆転負けの4年前のリベンジ誓う「同じ地に戻ってこられて誇らしい」スポンサー解消…再出発経て臨む代表決定戦
カーリングのミラノ・コルティナ冬季五輪最終予選(12月、ケロウナ)の代表決定戦は、11日から北海道・稚内市みどりスポーツパークで開幕する。女子はSC軽井沢ク、フォルティウス、ロコ・ソラーレの三つどもえで争い、男子はコンサドーレとSC軽井沢クの一騎打ち。男女それぞれの優勝チームが、日本代表として五輪最終予選に出場し、上位2カ国に与えられる本戦出場権の獲得を目指す。
10日は同会場で公式練習が行われ、2月の日本選手権女王のフォルティウスは、1時間半みっちり投げ込んでアイスの状態を確認した。スキップ吉村紗也可は「よく曲がる、そして滑りもいい感じ。明日に良いイメージで臨めるかな」と手応えを語り、運命の代表決定戦へ「ワクワクしている。やれることはやってきた。その取組に自信をもって最後はプレーするだけ」。笑顔の中に緊張感も漂わせながら、心境を明かした。
北海道銀行フォルティウスとして出場した22年北京五輪の代表決定戦では、先に2勝して王手をかけながら、ロコ・ソラーレに3連敗して逆転負けし、五輪出場の夢が途絶えた。その後は北海道銀行とのスポンサー契約が解消され、フォルティウスとして再出発。クラウドファンティングで海外遠征費用を募るなど資金繰りで苦労しながらも、「五輪に出たい」その一心で活動を続けてきた。そして今年2月の日本選手権は、2大会ぶりの優勝。大きな困難を乗り越えて、この稚内の地に立っている。
悲願の夢舞台へ。会場も4年前と同じ稚内市みどりスポーツパークと、リベンジにはうってつけだ。「4年前ここで悔しい思いをして、ここからチームとして1からスタートした。こうして同じ地で同じ舞台に戻って来られたのは誇らしく思う」と感慨を込める吉村。今季は国内で2戦した後、韓国で今大会の試合スケジュールを想定した強化合宿を行い、調整を続けてきた。
初戦は8時から五輪2大会連続メダルのロコ・ソラーレと対戦し、午後6時からSC軽井沢クと対戦する。「前回よりも強い覚悟をもってこの場に臨んでいる。あとはやるだけ。1試合を楽しみながら全力で戦っていきたい」。フォルティウスが五輪へ望みをつなぐ。




