イスラエルから大相撲入り目指す26歳、年齢制限は25歳も「絶対に諦めない」来日から2年半
角界入りを目指すイスラエル出身のヤルデン・ヤトコブスキーさんが10日、都内で立浪部屋の稽古に参加した。ぶつかり稽古、四股などで汗を流した。
ヤルデンさんは1998年6月13日生まれの26歳。日本相撲協会の入門年齢制限は25歳。「自分は誰よりも相撲を愛しています。だから力士になることを絶対に諦めない。年齢制限は超えていますが、特例で入れるように頑張ります」と語った。
ヤルデンさんは4歳で見たテレビの大相撲に心を奪われた。程なく両親に力士の夢を宣言し、近所の道場で柔道、柔術を始めた。15歳からはレスリングを開始。18歳でイスラエルの兵役に就くと、独自のちゃんこ料理で体重増に挑み、21歳の退役時には40キロ太った。171センチ、140キロの体で夢を追うようになった。
退役して角界入りを志すも、新型コロナ禍で来日できなかった。日本相撲協会、関係者に問い合わせたが進展しなかった。22年4月にモンゴルに渡航し、相撲とモンゴル相撲に取り組んだ。同年10月に24歳で来日。当時の年齢制限は23歳でも、特例の可能性を信じた。昨年9月に実績にかかわらず25歳に緩和された時は、もう26歳になっていた。
来日して1年半で、兵役で蓄えた貯金は尽きた。現在は両親のサポートを受ける。ルームシェアで都内に暮らす。
一方で、その情熱を認められ、立浪部屋以外にも体験入門できる部屋は増えているという。稽古の後はちゃんこの片付け、そうじなどの雑務にも取り組む。場所中は一人で四股を踏むなどして、トレーニングに励む。立浪部屋にはモンゴル出身の横綱豊昇龍が所属し、外国人力士1部屋1人の制度のため入門できないが、土俵に立つことに感謝する。
年齢制限、外国人力士の壁。厳しい現実に対し、ヤコブさんは「相撲は日本の文化です。僕は外国で生まれましたが、日本の相撲文化を愛しています。絶対に諦めません」とキッパリ。流ちょうな日本語で、大相撲への情熱を語っていた。