五輪2連覇の金城梨紗子、出産後初の世界切符「“ママでも金”目指す」代表決定プレーオフで残り15秒から執念の逆転星

 「レスリング・全日本選抜選手権」(26日、東京体育館)

 非五輪階級の世界選手権(10月・アルバニア)代表選考会を兼ねて行われ、女子59キロ級で、五輪2連覇女王の金城梨紗子(旧姓川井、29)=サントリー=は準決勝で敗退した。ただ、昨年12月の全日本選手権を制していた金城は、今大会覇者の尾西桜(18)=日体大=との代表決定プレーオフに臨み、0-5の劣勢から6-6の内容勝ちで逆転勝利。出産を経てからは初となる世界選手権代表を決めた。

 幾多の修羅場をくぐり抜けてきた金メダリストが底力を発揮した。代表切符が懸かるプレーオフで昨年のインターハイ女王に攻め立てられ、第1ピリオドを終えた時点で0-5と大きくリードされた。気持ちが折れかけたものの、セコンドについた妹・友香子(サントリー)に「あと3分しっかり戦うよ」と背中を押されて奮起。第2ピリオドに4点を奪い返すと、残り15秒から「(ここが)世界選手権を取る勝負所」と迷わずに仕掛けた片足タックルで2点をもぎ取り、6-6。終了間際に場外に押し出され6-7と敗れたかと思いきや、チャレンジの結果、場外に出る前に試合時間が終了しており、6-6のラストポイントで接戦をものにして「やったー!」と拳を握った。

 執念の逆転劇に「世界選手権に行きたい気持ちしかなかった。必死でした」。2年前の長女出産を経て、育児をしながらレスリングのトップ戦線で戦うロールモデルを目指してきた。今夏のパリ五輪は逃したものの、一つの目標だった2019年以来の世界選手権の代表権をつかみ取り、「五輪ではないが、世界選手権で優勝すれば“ママでも金”と言っていいかな。金メダルを目指してやっていく」と、世界一返り咲きへ決意を込めた。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス