元石浦の間垣親方が引退会見で涙「入門した時の自分を考えたらよく頑張った」昨春に首を負傷、家族の寝顔見て引退決断

 引退会見で涙をぬぐう元幕内石浦の間垣親方
 引退会見で笑顔を見せる元幕内石浦の間垣親方
 引退会見を開いた元幕内石浦の間垣親方(左)と師匠の宮城野親方
3枚

 夏場所限りで現役を引退した元幕内石浦の間垣親方(33)が7日、東京・両国国技館で引退会見を開いた。自己最高位の西前頭5枚目だった昨年春場所で首を負傷。その後「中心性頚髄損傷」と診断され、同夏場所から7場所連続で全休していた。「もうちょっと現役でやりたい気持ちはあった」としながらも「あっという間の10年だった。いい経験をさせてもらった」とすっきりとした表情を見せた。

 土俵復帰できるまでにはケガは回復せず、相撲を続ければ下半身不随になる可能性も告げられたという。昨年夏に、夫人と3人の子どもの寝顔を見て「健康な体で、4人の顔を見られるのが一番の幸せだなと思った。引退だなと思った」。声を詰まらせて涙を拭いながら、経緯を明かした。

 2013年初場所で初土俵。173センチ、110キロ台の小兵ながら真っ向勝負の取り口で幕内を26場所務め、新入幕の16年九州場所では敢闘賞を獲得した。「幕内で相撲がとれて、三賞もいただいて、入門した時の自分を考えたらよく頑張ったと思います」と胸を張った。

 思い出の一番は、21年名古屋場所の宇良戦を挙げた。意識していたという同じ小兵。相手が膝の大ケガを負う前は0勝3敗で「リベンジできずに終わってしまうんじゃないかと。どうしても勝ちたかった」。4年ぶりの対戦で復活した宇良を押し出しで破り「やっと勝てた。うれしかった」と当時を振り返った。

 会見に同席した師匠の宮城野親方(元横綱白鵬)は、自身が誘った言葉で入門した弟弟子に「かわいそうなぐらいよく稽古したし、よく稽古をつけた。石浦がいなかったら、私も14年間、横綱を張ることはできなかった」と称賛。「もう少し相撲を取らせてあげたいという気持ちはあったが、第二の人生は長い。宮城野部屋を支えてもらわないといけない大きな存在。ホッとしています」と、部屋付きの親方としての活躍を期待した。

 引退相撲は来年6月1日を予定。新たなスタートを切った間垣親方は「師匠のもとで縁の下の力持ちになりたい。それぞれみんな個性があるので、個性を伸ばしていけるようなアドバイスをしたい」と晴れやかに抱負を口にした。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス