大相撲夏場所で６場所ぶり８度目の優勝を飾った横綱照ノ富士（伊勢ケ浜）が千秋楽から一夜明けた２９日、都内の部屋で会見に臨み「無事に終わったなという感じ。盛り上がった１５日間だったんじゃないですか」と心境を語った。

　途中休場した昨年秋場所後の同１０月に両膝を手術。３場所連続全休明けで臨んだ夏場所で、１４勝１敗で賜杯を奪還した。変わらぬ強さを示し「１５日間、相撲を取り続ける体を作ろうと思ってやっていた。よかったんじゃないですか」と手応えを口にした。

　ケガで大関から序二段に転落後に復活し、横綱にまで上り詰めた照ノ富士。今回の手術からの復活も、ファンの感動を呼んだ。「一日一日を無駄に過ごしていないのが良かったのでは。優勝できるかできないかは別として、やり続けるということに関して、見ている人に何かしら頑張ろうという気持ちになってもらえたら。それだけでうれしい」。反響を喜ぶと「応援してくれる方がいないと（相撲を）とっても意味がない」と応援がモチベーションの一つになっているとした。

　昨年１１月に第１子となる長男・照務甚（てむじん）くんが誕生していたことも明かした。モンゴル帝国の初代皇帝であるチンギスハンの本名と同じで、漢字でも読めるように命名したと説明。「初めての子ですし、本当にかわいいっすね」とパパの顔ものぞかせた。

　今後の目標には「ずっと言っている２桁優勝を目指して頑張っていこうと、考えながらやっています」とあらためて宣言。「出るからには優勝しなければいけない番付だし、優勝を重ねていくという思いだけ」と最高位の自覚をにじませた。