フェンシング合宿問題、家族同伴コーチはウクライナ人 武井壮会長「理解いただきたい」

 日本フェンシング協会は2日、都内で理事会を開き、6月に沖縄県で行われた男女エペ日本代表の合宿で連日レジャーに興じていたと週刊誌に報じられたことについて報告した。全参加者にヒアリングした結果、当初から長期遠征後のリフレッシュも兼ねた目的だったといい、武井壮会長(49)は「アスリートとしては(この合宿は)必要なものだったと考えている」と理解を示した。ただ、一部コーチらの家族が一緒に宿泊していたことは「不適切だった」と認め、日本オリンピック委員会(JOC)などに対する助成金約200万円分の申請は見送ることを決めた。

 ただ、家族を同伴させていたコーチ2人はウクライナ出身。エペ代表のサーシャコーチは、ロシアによる侵攻で祖国からドイツに避難していた妻、娘と一緒に来日する絶好の機会が今回の沖縄合宿だったという。武井会長は「戦争が起きて以来、祖国の惨状を目にしつつ、代表のサポートを続けてくれて、アジア選手権でも結果を出してくれた。やっと奥様と娘さんを日本に連れて帰れた。家族との時間もつくりたいという思いがあったことは皆さんにご理解いただきたい」と熱を込めた。また、女子代表の佐藤希望は就学前の次男と一緒に宿泊していたという。強化のための助成金対象である代表選手・コーチ以外の家族が同伴していたことについては全面的に認め、「合宿の100%正しい運用としては、別の予算で自費で部屋を取るべきだった。不適切な運用をしたことは認める。謝罪したい」と頭を下げた。

 また、今回の沖縄合宿は、週刊誌には海水浴やバナナボートに興じる様子などが報じられた。ただ、日本協会によればエペ代表の多くは4月末~5月末まで欧州遠征、6月はアジア選手権(韓国)に出場。7月15日開幕の世界選手権(エジプト)の直前期とあって「心身をリフレッシュする目的とトレーニングを兼ねていた」といい、午前は強度の高いヨガトレーニング、午後は自由時間とし、各自が休息やトレーニングなどに充てていたという。

 武井会長は「合宿内容としては適切だったと考えている。決して遊んでいたわけではなかった」と説明。アスリート出身者として「ハードなトレーニングだけがアスリートが行う練習ではない。適切な休養も必要。世界選手権前の合宿期間にただ遊びたいという選手はいないと信じている」と理解を示した。

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