中村輪夢 2本目待たず圧巻V 「これを一番決めたかった」大技『720キャンキャン』実戦初成功
「自転車BMX・フリースタイル・パーク、マイナビ・ジャパンカップ」(5日、境町アーバンスポーツパーク)
男子エリートクラス決勝が行われ、昨夏の東京五輪で5位入賞した中村輪夢(20)=ウイングアーク1st=が84・20点で制した。14歳の小沢楓(岐阜・糸貫中)が70・60点で2位だった。
右手の親指を突き立て、大技成功を誇った。中村は高難度の技を繰り出した1本目でただ一人80点を超えると、2本目の試技を待たずして優勝が決定。ウイニングランとなった2本目は、軽快なパフォーマンスで観客を盛り上げた。
圧巻は1本目で繰り出した『720キャンキャン』だ。横に2回転しながらフレームをまたいだ片足を伸ばす大技を披露し、「海外でもあまり見ない。これを一番決めたかった」。今年に入ってから練習を始めており、今大会が実戦初成功。「新しいことに挑戦できて良かった」と充実の表情だった。
東京五輪では予選を2位通過しながらも、決勝で力を出し切れずに5位に終わった。「五輪は悔しい思いをしてる」と振り返りつつも、視線は既に24年パリ五輪へ向いている。
5月末にはフランスで行われるW杯第1戦に出場予定。「気持ちよく大会を終わりたい」と掲げ、「今日より一回り上の技を狙っている」と宣言した。2年後にある2度目の夢舞台へ、車輪も勢いも加速させる。