「東京マラソン２０２１」（６日、東京都庁～東京駅前）

　東京五輪の陸上女子１万メートル代表で、１３年ぶりのフルマラソン挑戦となった新谷仁美（３４）＝積水化学＝は２時間２１分１７秒で７位だった。第２集団でレースを進め、同代表の一山麻緒（ワコーレ）と４０キロ地点まで並走。残り２キロで一山と差は広がったが、新谷は日本人２位の記録を残した。

　日本人上位３位に入ったことで、２４年パリ五輪の出場権を争う来年秋のマラソングランドチャンピオンシップ（ＭＧＣ）の出場権を獲得。ただ、試合後の会見で「やっぱりトラックで頑張りたい」と宣言。「なぜなら単純にきついから。２時間走る必要があるのかなと考えたときに『ないわな』って。なんなら１５分、３０分も必要ないけど、そっちの方がいいかなと思った」と新谷らしさ全開でトラック競技に注力する考えを話した。

　フルマラソンがトラック競技に生かせるかを問われ「何一つつながらないし、魅力も分からなかった。走っている人たちはなんで何度も挑戦しているんだろうと不思議な気持ちになった」とここでも新谷節がさく裂。ただ１３年ぶりの挑戦に気持ちの変化もあったようで、「一つ、自分の失敗を責めちゃいけないことを感じ取れたレースになった。陸上だけに関わらず、生きていく上で必要な部分につながったと思う」と明かした。