張本智和が涙の1年ぶりV「うれしさではなく安ど感」苦しんだエース、パリへ好発進

1年ぶりにシングルス優勝を果たし、涙ぐむ張本智和=東京・アリーナ立川立飛
男子シングルス決勝で、及川(奥)を破って優勝を決め、喜ぶ張本
男子シングルス決勝で、及川を破って優勝を決め、ユニホームをかぶって喜ぶ張本
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 「卓球・ライオンカップ・トップ32」(6日、アリーナ立川立飛)

 第1回パリ五輪代表選考会として行われた。男子決勝は、東京五輪団体銅メダルの張本智和(18)=木下グループ=が、20年全日本王者の及川瑞基(24)=木下グループ=を4-2で下し、優勝した。

 張本がパリ五輪に向けて好スタートを切った。シングルスでは、昨年3月のWTTスターコンテンダー・ドーハ大会以来、自身1年ぶりとなる久々の優勝。喜びのあまり、ユニホームの裾を頭にかぶった後、両腕でガッツポーズした。

 試合後のコートインタビューでは、涙で声を詰まらせた。「東京五輪が終わってから、自分にとって苦しい時期が長くて、途中で(腰の)けがとかもあって、本当に苦しい1年だったが、やっとシングルスのタイトルを獲ることができた。うれしさはないが、ただただ安ど感でホッとしている」。昨年11月の世界選手権では初戦敗退。今年1月の全日本選手権も16強で散るなど、エースとして期待を受ける中、苦しかった胸の内を吐露した。

 今大会は相手に向かっていくチャレンジャー精神を取り戻し、得点の度にちゅうちょすることなく、大きく声も出していった。本来の持ち味であるバックハンドも光り、近年の迷いを払しょく。「ここ1、2年で一番いい。懐かしい自分のプレーができた」とうなずいた。

 この優勝で、世界選手権団体戦(9~10月、中国・成都)と、アジア大会(9月、中国・杭州)の代表権も獲得したが、「そんなことよりも自分のプレーができたことが本当にうれしい」と感極まった18歳。「日本代表として恥じないように、次はアジア、世界で1位を獲れるように頑張りたい」と力を込めた。

 パリ五輪に向けた代表選考で、日本協会は国内選考会を重視する方針を示しており、24年1月まで断続的に選考大会が実施される。張本は、1月の全日本選手権は大会直前の腰痛の影響もあって16強で散ったが、「正直、この大会(選考会)の方が大事」と強い決意で臨んでいた。

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