阿炎 荒れる初場所 主役名乗り V争い再び「相撲に集中して自分を出し切る」

 「大相撲初場所・12日目」(20日、両国国技館)

 平幕の阿炎が関脇隆の勝を突き出しで破って10勝目を挙げ、2敗を守った。1敗だった横綱照ノ富士が小結明生に、関脇御嶽海は阿武咲にそれぞれ敗れ、トップに2敗の3人が並ぶ展開となった。阿炎は2場所連続で堂々の優勝争い。昨年まで6年連続初優勝力士が誕生する“荒れる初場所”で自身も初賜杯を狙う。大関正代は連敗を3で止め、5勝目(7敗)を挙げた。

 力強さも速さも増してきた。終盤に入っても、阿炎の勢いは衰えない。12日目で早くも10勝到達。御嶽海と照ノ富士が相次いで敗れたため、残り3日で堂々のトップ並走だ。

 立ち合いからもろ手で突いて出て、回転のいい突っ張りで先場所敗れた隆の勝を圧倒。最後は左をグイッと伸ばすと、相手の左足がたまらず俵を割った。

 研究と対策はバッチリだ。この日の朝、師匠の錣山親方(元関脇寺尾)から「今日は引かない方がいいぞ」と助言された。「頭に入れてしっかり自分の相撲を取りきった。攻められたのでよかったな」と胸を張った。

 夜は自身の取組を見返して修正点を確認すると、午後10時には就寝。「次の日は相手のことだけ考える」という。新型コロナのガイドライン違反による出場停止処分を経て、変わった姿勢。感覚派だった以前に比べ「相撲のことを考えることが増えた。そのへんが思い切り相撲を取れることにつながっている」と自己分析する。

 初場所は6年連続で初優勝力士を輩出中。吉兆データが、初賜杯への進撃を後押しする。八角理事長(元横綱北勝海)も「いいんじゃないですかね、阿炎の方がね、プレッシャーのないところでやってるのが一番。いい意味でのプレッシャー、気合も入る。先場所も経験があるからね」と、2場所連続V争いの勢いを買った。

 13日目は御嶽海との大一番。優勝の好機到来には「そういうのは考えてない」と無関心を貫き「まずは目の前の相撲に集中して自分を出し切ること」と力を込めた阿炎。己のすべてを注ぎ込んで勝負の3日間に挑む。

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