照ノ富士 大鵬以来59年ぶりの新横綱連続V

 「大相撲九州場所・14日目」(27日、福岡国際センター)

 一人横綱照ノ富士が初日から14連勝で千秋楽を待たず2場所連続、6回目の優勝を果たした。唯一1敗だった平幕阿炎に押し込まれたが逆襲して押し倒し。大鵬以来59年ぶりとなる新横綱からの連続V、今年4回目の優勝を自身初の14日目に決めた。

 壁になるのが横綱の責任。照ノ富士が大関を破って怒とう進撃の阿炎をはね返した。突き放されて上体を起こされ、徳俵に左足がかかる。館内は大歓声。だが、これは呼び込むための戦略だった。

 相手の取組を研究し尽くした。「勢いを止めるにはこっちも(上体を)伸ばさないと入ってこない」。距離が詰まり飛び込む相手を抱え込み反撃。圧力で引かせると相手は崩れ落ち、勝負は決した。

 インタビュー室では「全部受けて立つという気持ちでやりました」と胸を張り、横綱相撲の14連勝だった。

 2場所連続で1度もトップを譲らず完全V。新横綱から連続Vは太刀山、栃木山、双葉山、大鵬に続き伝説的横綱に名を連ねた。2場所とも一人横綱で達成は史上初の偉業だ。

 最強の系譜を継ぐ。元横綱白鵬(間垣親方)が先場所後に引退し今場所は番付も一人横綱。2002年九州場所、朝青龍が初優勝してから19年、今場所が113場所でモンゴル出身が計93回目の優勝と驚異的だ。12日目には朝青龍が九州場所に来場。「相撲界を引っ張ってくれて非常に感謝」と照ノ富士を絶賛した。名実とも“照時代”が到来。揺るがぬ「不動心」に加え、「品格」も申し分ない。

 29日に30歳になる。「自信を持って相撲を取らないといけないので普段の稽古、トレーニングが大事。感覚的に勝つ癖を付けていく。かみ合ってきている」とまだ成長途上だ。

 両膝負傷などで大関から序二段まで降下。地獄からよみがえった。今年は関脇も大関も2場所で通過し頂点へ駆け上がった。年間最多勝も計76勝目で後続に20勝以上も差を付け圧倒する。残すは初の全勝V。「チャンスがあればつかんでいきたい」と2021年、無敵の締めを目指す。

 ◆照ノ富士V記録メモ

 優勝6回 モンゴル出身先輩横綱の鶴竜(現鶴竜親方)に並ぶ

 一人横綱V 名古屋の白鵬、先場所の自身に続き3場所連続で一人横綱が優勝

 新横綱から連続V 1961年九州、62年初の大鵬以来59年ぶり。新横綱から2場所連続で一人横綱優勝は史上初めて

 14日目V 2019年九州場所の白鵬以来。照ノ富士が千秋楽を待たずに優勝するのは初めて

 年4回V 2014年5回Vの白鵬以来7年ぶり

 伊勢ケ浜部屋の優勝 19回目。同部屋最多Vは日馬富士の9回

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