阿炎1敗死守“みそぎ”の逆転初Vへ改心 好調宇良を突き倒し自己最速2桁星決めた

 「大相撲九州場所・11日目」(24日、福岡国際センター)

 7場所ぶり幕内復帰の元小結阿炎が、好調の業師宇良を突き倒して4連勝に伸ばし、自身4回目の2桁10勝に平幕で一番乗り。新型コロナ禍、ガイドライン違反となる“夜の店”通いのため昨年7月場所後に3場所連続出場停止処分。“みそぎ”の場所で1敗を死守し、終盤戦、絶好位置から逆転初Vを狙う。一人横綱の照ノ富士が逸ノ城を寄り倒して無傷11連勝で単独トップをキープ。1差で大関貴景勝、阿炎が追走する。

 生まれ変わった阿炎は以前より強い。業師宇良に一切、仕事をさせなかった。低く潜り込みを狙う相手を突いて、はじいて崩す。2秒5、怒とう攻めで土俵下に転がした。

 「しっかり一歩、踏み込んで落ち着いて取ろうと決めていた。よく見てよく手を出して、足を出して」と、くせ者を攻略した。

 “問題児”だった阿炎。SNSに不適切投稿し、日本相撲協会の研修には「爆睡していた」と言い放った。そしてトドメが昨年7月場所、“夜の店”に通う規則違反。3場所出場停止処分を受け、ようやく目が覚めた。

 幕下まで落ち、師匠の錣山親方(元関脇寺尾)、愛する妻と娘、後援者らにいかに迷惑をかけたか気付いた。師匠からは「感謝の気持ちを忘れないこと」と諭され、言葉を胸に刻み、今場所も“みそぎ”の土俵に上がる。

 師匠は先日のテレビ解説で「部屋では子供。外では一生懸命、自分で言葉を選んでしゃべっている。そういうところも成長した」と目を細めていた。

 自身を見つめ直したことが取り口にも好影響。前回幕内時は「何も考えず、がむしゃら」と引き技を多用したが、今はとにかく前に出る。「勝ち負けより一番に集中」と迷いがない。10勝中8勝が押し、寄りの決まり手。力強さが以前と違う。

 一切見なかった相手の取組画像も今は熱心にチェック。戦略も練ることが自己最速の2桁勝利につながる。

 反省の日々のため妻子と別居中。幕内で勝ち越せば同居することを目標に奮闘してきた。勝ち越しどころか、パパは初賜杯を手に帰宅の可能性も十分ある。

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